美容ブランドのNFT活用には業界横断の仕組みが不可欠、日本のコンテンツNFT事例で「JCBI」が示すその理由
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欧米の美容業界では顧客ロイヤリティ向上として、NFTアート配布などの取組みが増えている。今後日本でも同様の試みがなされていくなかで、ブロックチェーン上で発行されるNFTアートへの理解とその信頼性の担保、ブランドとユーザー双方へのメリットの実現のために必要なのが企業や業界の垣根を超えたコンソーシアムだ。すでに日本でコンテンツ領域のブロックチェーンの社会実装に業界横断で取り組む一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)代表理事の伊藤佑介氏に、その背景を聞いた。
この数年で一気に認知度を高めたブロックチェーンは、仮想通貨のイメージが強いものだったが、近年はさまざまな業界が活用を模索しており、とくに欧米の美容・ラグジュアリー業界では、自社独自のNFTアートの配布による顧客とのエンゲージメント向上や、二次流通の信頼性の担保といった取り組みが始まっている。
たとえば、ゲランは2021年と2022年にデジタルアートのオークションを開催し、その収益を自然再生プロジェクトに寄付する取り組みを実施。これは同ブランドがコミットメントとして掲げる生物多様性の保全やミツバチの保護を実現するためのものだ。
また、ブルガリでは、10本限定で製造された1本44万ドル(約6,500万円)の腕時計の歯車部分にQRコードを刻印。それをスマホで読み込むことで、製品の真正性とオーナーシップの証明がなされるとともに、NFTアートワークを受け取ることができる。腕時計の真正性を認定するデジタルパスポートとして発行されるNFTと、デジタルアートワークのコンテンツとして発行されるNFTを融合して不可分とすることで、そのNFTアートワークがOpenSeaなどのマーケットプレイスに出回って二次流通することを阻止していることが大きな特徴だ。
美容・ラグジュアリー業界に限らず、企業がブロックチェーンを活用していくにあたっては、個別企業だけでは解決できない課題があり、企業にとっても消費者にとってもベネフィットのある業界を横断した基盤づくりが重要となる。LVMHがプラダグループ、カルティエとともに設立したブロックチェーンの共同運営事業体「Auraブロックチェーンコンソーシアム」はその好例だろう。このコンソーシアムは、ラグジュアリー業界のブロックチェーン活用を支援するとともに、消費者に透明性や真正性を提供するためのもので、先述のゲランやブルガリの事例もこの基盤のもとに実現している。
日本の美容・ラジュグアリー業界ではまだこのような基盤は整っていないが、今後ブロックチェーンを活用していくためには、類似の取組みが必要になる。その理由や背景について、コンテンツ業界で同様の基盤の構築に取り組むコンソーシアム、一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(略称、JCBI)代表理事の伊藤佑介氏に話を聞いた。
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