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リアルとオンライン、その比重の最適解は?小売店舗の閉鎖が相次ぐ米国の議論

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2018年8月にニューヨークで開催されたDigiday主催のRetail Forumでの興味深い議論は、ファッションチェーン大手Expressのオムニチャネル化、オンラインでパーソナライズドなニキビケア製品を提供するCurologyのポップアップストア戦略から読み取れることだった。つまるところ、顧客の快適なショッピング体験をどうつくるのか、だ。そこにはリアルとデジタルの垣根は存在しない。

アマゾンに代表されるECの活況、AIの進化をはじめとする先進テクノロジーの普及は、消費者の購買行動を大きく変えている。2017年、小売店舗の閉鎖数が過去最高だった米国では、2018年になっても老舗のリテールショップの閉鎖や従業員の削減などのニュースが相次ぎ、小売業界を取り巻く環境は厳しい。

9月には、123年の歴史を誇る百貨店、ヘンリ・ベンデルがニューヨーク五番街の旗艦店を含む11州全23店舗を2019年1月に閉店すると発表したほか、10月には米小売り大手のシアーズ・ホールディングスが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請したと報道されている。ソーシャルメディアの利用が当たり前になり、オンライン・ショッピングへの期待値がますます高まる一方で、実店舗での売り上げの伸び悩みに直面する企業はかつてないほど多いのだ。

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会場は、マンハッタンはミッドタウンにある
TIAAファイナンシャル・サービスビル

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Retail Forum会場の受付の様子

DigidayによるRetail Forumでは、昔ながらの実店舗にこだわるアパレルチェーンから、オンラインを主軸とするデジタルネイティブのスタートアップまで、CEOやダイレクターなど経営陣が登壇し、それぞれが描く小売業の未来について活発な意見交換が行われた。そのなかから見えてきたのは、オンライン、オフラインにかかわらず、小売業の生き残りは「顧客が満足する購入体験の創出」ができるか否かにかかっているということだ。

オムニチャネル化で実店舗に付加価値

モールを中心に北米に約600店舗を展開するカジュアル・ファッション大手のビッグチェーンExpressは、ECと実店舗を連動させオムニチャネル化を進める戦略をとっている。

同社のオンラインでの売り上げは、2018年第2四半期時で前年比37%増の1億2,390万ドルを記録。この伸長を活かして実店舗の顧客体験を強化することで、小売全体の底上げを図る狙いとみられる。

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