フェムテックが先かフェミニズムが先か。日本では美容業界こそ先陣を切りたい
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前回紹介したように、欧米でフェムテックが盛り上がったその背景には、とくに若い世代を中心に多様性や包括性への意識、それに裏打ちされたフェミニズムの台頭がある。女性向けのサービスを提供するのであれば、知っておきたいキーワードであり、大きなムーヴメントでもある。今回は、そのムーヴメントに触れつつ、日本のフェムテックの可能性について考察してみたい。
米国ではトランプ大統領による女性蔑視発言に対する反発や、ハリウッドに端を発した#metooのムーヴメント、毎年3月8日の国際女性デーに行われるWomen’s Marchなど、フェミニズムに対する熱量が高まっている。同時に、1~2年ほど前から多様性や包括性の重要性が言われ始め、人種、性別を超えて「個人の権利や尊厳が大事だ」という大きなムーヴメントになっている。
主要な女性向けメディアでも、国際女性デーにはSNSで女性をエンパワメントするメッセージを発信し、さらに、ファッションや美容ブランドも〝痩せた白人〟モデルだけではなく、様々な肌の色や体型の女性をモデルとして起用することも珍しくなくなってきた。
ディオールからマクドナルドまで。女性をエンパワメントする企業
象徴的だったのが、2016年7月に、ディオールのアーティスティック・ディレクターに就任したマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)によるコレクション。シンプルな白のTシャツに、「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS(私たちはみんなフェミニストになるべき)」とプリントし、いまの時代のフェミニズムを表現した。結果、多くのミレニアル世代の支持を得た。
ちなみに、このWe should all be feministsというスローガンは、ナイジェリア出身の女性作家チママンダ・ンゴズィ・アディーチのスピーチがきっかけだった。
今年の3月8日の国際女性デーでは、カリフォルニア州にあるマクドナルドで、ロゴマークの「M」の看板を逆の「W」にして設置した。「Woman」の頭文字にしたことは、「世界の女性へ敬意を表するため」とマクドナルドは声明を出した。
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