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「ホリデーポップアップ」「Z世代とメタバース」がキーワード【海外トレンド 2023年11月-12月】

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毎月1回、ビューティ業界にインパクトを与える海外ニュースを俯瞰し、注目すべきポイントと報道の裏側にある背景を解説。グローバルな視点からビジネスの潮流をひも解く。今回は、ホリデーシーズンに向けて体験重視のポップアップストアを開設するブランドと、リアルの自分よりもアバターのスタイリングが重要なZ世代のメタバースでの行動についてレポートする。


グロッシアーやジョー マローン、カルトな人気ブランドがポップアップストアをオープン

★注目ポイント
毎年ウィンターホリデーシーズンが近づくと、季節限定コレクションのプロモーションのためのポップアップストアを開設するブランドが多いが、実店舗の価値が再認識された2023年は、ロイヤリティの高いコミュニティを擁する企業・ブランドが、顧客エンゲージメント強化の観点から、参加型の没入体験をベースとしたポップアップを立ち上げる例が目立っている。

⚫︎ Glossier

Glossier(グロッシアー)」は、英ロンドン中心部にフレグランス「Glossier You」に特化したポップアップストアを2024年1月14日まで約2カ月にわたり開設。Glossierの社内クリエイティブチームによって設計された「Realms of You」と題する没入型体験を提供する。

音とビジュアルが体にどのように影響するかを探るASMRビデオからインスピレーションを得たという展示は、来訪者が「自分の冒険を選ぶ」いくつかのブースで構成され、一度に6人だけが入室して香りを通した「ユニークなオーダーメイドの旅」を体感するものだ。

同じ香水でも身につける人によって香りが異なるというGlossier Youの特質をもとに発想し、たとえば、不思議の国のアリスとデビッド・リンチに触発されたブースでは、赤い手袋をはめた生身のスタッフがパフォーマンスでもてなして、各ゲストのユニークなペルソナを引き出すという。展示体験の最後にGlossierのフレグランスと、赤漆塗りのペッパーミル、ミニチュアGlossierマイク、限定版ビューティバッグなど、ポップアップ限定商品の購入ができる。

⚫︎ Jo Malone London

同じくロンドンで「ジョー マローン ロンドン」は、旧発電所を再開発した複合施設正面に造成された屋外アイスリンクに、ポップアップストアを2024年1月8日までオープンしている。氷をテーマにした装飾やインタラクティブなディスプレイを楽しめるほか、フレグランスのマスタークラスへの参加や、ジンジャービスケット、グローイングエンバー、オレンジ ビターなどの香りが特徴のフレグランス、アロマキャンドル、スキンケア製品、ギフトセットといった季節限定ホリデーコレクションの購入ができる。また、アイスリンクの中央に設けられた約9メートルのクリスマスツリーは、ジョー マローンのギフトボックスで飾られている。

⚫︎ Face the Future

ドクターズコスメなど高機能スキンケア製品に特化した品揃えの化粧品専門ECである「Face the Future」は、創業の地である英国の地方都市リーズで、同社初の実店舗としてポップアップストアを2023年12月1日〜17日の期間で開催。同店では、肌荒れしやすい、エイジング、シミなど主要な肌悩みに対応する3つのセクションを設け、ビオデルマ、CeraVe、HydroPeptide、ラ ロッシュ ポゼ、Medik8などのブランドの製品をフィーチャーするとともに、専用機器による肌分析やミニフェイシャルトリートメント、臨床医やスキンケアの専門家からのアドバイスなどの体験サービスも実施する。

Face the Futureでは、これまでいくつかの対面イベントを開いてはいるが、小規模でそれほど知名度が高くない美容小売業者のひとつとして、リアルな店舗は“スキンインテリジェント”なコミュニティにより深くアプローチするために有効な手段としている。

⚫︎ Pat McGrath Labs

出典:Pat McGrath氏のInstagramアカウント

大御所メイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)氏によるメイクアップブランド「Pat McGrath Labs(パット・マクグラス ラボ)」は、グーグルとコラボしたポップアップストア・イベント「The ARt of Beauty」を、2023年10月20日〜22日、米ニューヨークで開催した。これは同ブランドが、グーグルのARショッピング機能「Shop with Google」と提携したことを記念するもので、来場者はPat McGrath Labsのリップ製品と主力のアイシャドウパレットをまずARツールで試着。その場で購入すると、メイクアップアーティストとの対面セッションが予約でき、バーチャルとリアル双方向からのメイクアップ体験を提供した。

⚫︎ L’Occitane

一方、仮想空間にバーチャルポップアップストアを立ち上げたのは「ロクシタン」だ。バーチャルストア・プラットフォームEmperiaと共同で開発したフランスのアルプス地方のレトロな山小屋風のショップは、アドベントカレンダー、ホリデーコレクション、ギフトセット、フレグランス、そして「サンタのウィッシュリスト」にそれぞれ焦点を当てた5つの製品エリアに分かれており、また、屋外エリアの散策もできる。

あわせて、クリスマスをテーマにしたミニ宝探しゲームでは、カスタマイズされたギフトボックスを作れるスペースの周りに散らばった、ラッピングペーパーなどのギフト包装材料を見つけ出すミッションが参加者に与えられる。完了するとギフトが受け取れる仕掛けとし、ゲーミファイ要素でエンゲージメントを高める工夫をしている。

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