【NRF APAC 2024②】リテールメディア活用の鍵となる「4C」と巨大市場アジア太平洋地域の消費者インサイト
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「NRF 2024: Retail’s Big Show Asia Pacific(NRF APAC)」の現地取材レポートの2回目は、小売業界の新たなビジネス拡張となるリテールメディアをテーマにした講演セミナーに加えて、エキスパートによるアジア太平洋地域の消費者と市場分析を紹介する。
小売業界の新たな収益源、ブランドにとっては消費者接点拡大。リテールメディアの大きな可能性
2024年1月に米ニューヨークで開催されたNRFビッグショー2024ではリテールメディアが大きな話題のひとつだったが、今回のNRF APACでも高い注目を集めたトピックだった。米国ウォルマートの成功事例などが広く語られるようになり、アジア太平洋地域の小売業者もその重要性とポテンシャルに目を向けている。
リテールメディアとは、一般的に小売企業が運営するECサイト上のオンライン広告や、実店舗に設置されたサイネージ広告、店内放送や実演販売をはじめとする、小売企業が媒体主として提供しているさまざまな広告媒体を指す。オン/オフラインでの顧客の購買データや行動データといった、小売企業が独自に収集・取得したデータをもとに、細やかなターゲティングを行うことで、より目に留まりやすく利用されやすい広告やクーポンの配信ができ、購買につながる可能性の高いメディアとして関心が高まっている。
ロレアルメキシコなど、リテールメディア活用の成功事例
今回、「Global Retail Media: insights unfold, Stories untold(グローバルリテールメディア:広がる洞察と語られなかった物語)」と題した講演セッションでは、コカ・コーラの元バイスプレジデントとしてデジタル施策やマーケティングを主導し、現在は自身のコンサルティング会社Lighthouse Advisoryを設立したサイモン・マイルズ(Simon Miles)氏が登壇し、成功するリテールメディアを構築するために必要なことについて話した。
最初にマイルズ氏は、世界的なインフレにより買い物客がより安く多くの価値を手に入れることを求める傾向にあり、値引きが市場を席巻し、小売店のマージンがかつてないほど圧迫されていると説明。ここ数年でリテールメディアが爆発的に成長しているのは、多くの小売業者がこうした課題の解決策になることを期待しているためだとする。
「(メーカーの出稿による広告費が得られる)リテールメディアは、利益率の高い新たな収益源であり、消費者と購入地点に近いところでつながることができる点でも小売業者にはメリットがある。リテールメディアは今後も成長していくだろう。しかし残念ながら、リテールメディアをいかに正しくマネジメントして効果の高い運営をしていくかという観点では、現実はそう甘くはない」(マイルズ氏)
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