IKEA、バルマンなどVR/ARコンテンツの活用事例はこれからのヒントに満ちている
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前回はフランス・ラヴァル市で開催されたVR/ARの国際見本市「Laval Virtual」の様子について伝えたが、今回は会期中に行われたセッションのなかから「リテールのXR活用における顧客のリアルなニーズとデジタルトランスフォーメーション」で共有された、キャンペーンや販売促進における興味深い事例を紹介したい。
ポケモンGOの世界的な成功は、現実とバーチャルをミックスした体験が消費者の心を大きく動かすという事例として業界にインパクトを与え、多くの企業がAR, VRなど没入型テクノロジーを用いた体験型キャンペーンを試みている。しかし、消費者や企業は本当にAR/VR(XR)による体験を必要としているのだろうか。すべての商品、またはサービスに効果的なのだろうか。リテール業界に関わるXRのスペシャリスト5名がさまざまな実施例をもとに、没入型テクノロジーの可能性を討議した。
急速なデジタル化に伴い、Eコマースへの移行、顧客データ分析によるパーソナライズ化などが進行するなか、特別な顧客体験の重要性があちこちでうたわれているが、「企業にとって重要なのは、いかに認知度を上げ、ロイヤリティを高め、購入に至らせるかだ」とインテルのアカウント・エグゼクティブのナディア・マンディッシュ(Nadia Mandish)氏は指摘。消費者・ユーザーにいかに特別な体験を提供しても、期待した効果が出なければ投資効率の良いビジネスとはいえない。今後はさらに、企業の目的にあったクオリティの高いソリューションが求められると強調した。
ARプロモーションを手がける「Netineo」のCEO、フィリップ・ボルンスタイン(Philippe Bornstein)氏は、2018年に仏大手量販店カルフールで実施した「来店」目的のAR利用のプレゼントキャンペーンの経験をシェアした。
作戦はこうだ。クリスマス商戦に備えて配布された紙の商品カタログに、このキャンペーンの専用ARアプリ情報を併記したサンタクロースのぬり絵を入れ込む。子どもたちが思いのままに好きな色でぬり絵をしたものを、親が専用アプリをダウンロードしたスマートフォンで写真を撮ると、子どもが描いたとおりのサンタが3Dで現れ、どんなプレゼントが欲しいかなど、インタラクティブに音声会話ができる。サンタのリードにより、カタログ内から好きな玩具や人形を選び、店頭まで足を運んで応募用紙をキャンペーン用のBOXに入れる流れだ。
画像:Netineo提供
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もちろん、アプリから直接応募してもらうほうが応募率そのものは上がるであろうが、企業の目的は実店舗への誘導だったため、あえて紙媒体を活用し、応募するまでの体験を重視したというわけだ。KPIを設定するには、企業側が明確な目的とゴールを示す必要があるのはいうまでもない。
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