VR技術もロレアルが先行、美容体験を根底から変える可能性
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先日、ロレアルが買収したModiFaceを軸にARの今後について書いたが、ARと並べて語られることの多いVRについても取り上げたい。ビジネスへの活用という意味でARのほうが先行してはいるが、もちろん先進的なブランドは積極的にVRも取り入れている。今回はそのいくつかの応用例を見ていきたい。
VRでも先行して店頭やトレーニングで活用するロレアル
VR分野でも、ロレアルの動きが活発だ。傘下のブランド・NYXは2017年にサムスンと提携し、ショップ内でVRゴーグルを使ってメイクアップチュートリアルが見られるサービスを行っている。
ロレアルがVRを活用しているのは、店頭だけではない。たとえば同じく傘下のヘアケアブランドMatrix(リンク)では、人物がまるで部屋にいるかのような世界を実現するホログラム技術を持つ8iと提携してVRを活用した美容師教育プログラムを発表している。
このプログラムでは、生徒である美容師たちが講師によるスタイリングをVRのホログラムの中で、360度任意の角度から確認することができる。これによって場所を問わずに研修に参加でき、会場や移動を考えなくてよいためコストダウンにつながるということだ。
出典:L’oreal Matrix x 8i - Beauty in VR
さらにロレアルでは社内の業務プロセス革新にもVRを取り入れており、ニューヨークの本社にはVRで店頭の棚を再現できる「VRルーム」があるという。ただ、こちらは2016年10月に開設されて以来、2017年7月までの間にうまく活用された事例は1件だけで、どんな業務にでも簡単に使えるというわけではないようだ。それでも実際使った社員は「8カ月近くかかったであろうことを3カ月で可能にした」という手応えを語っている。
韓国コスメのイニスフリーもVRを使ったトライアルを行っている。2016年には、上海ディズニーリゾートで、ブランドの世界観を表現したVRイベントを行った。来場者がVRヘッドセットを装着してルームバイクをこぐと、バイクの動きに合わせてバーチャル世界を移動し、化粧品の素材を集められるというゲームのようなコンテンツだ。また人気俳優イ・ミンホが隣にいるかのように感じられるVRコンテンツも制作、プロモーションに利用している。
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