アフリカ系起業家によるクールなD2Cは世界を包み込むか。初のFaB Africa開催
◆ English version: African entrepreneurs take on the world with stylish D2C businesses — FaB Africa’s first meet up
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ファッションとビューティテックのコミュニティFaB による、初めてアフリカ系スタートアップのミートアップが、11月7日にパリのインキュベーター50 Partners で開催され、D2Cブランドビジネスを中心にしたアフリカ系の起業家たちが80名ほどの参加者を前にセッションを行った。多様性と包括性の世界トレンドのなか、アフリカ文脈の新興ブランドがまさに世界に出ようとしている。
FaB アフリカがパリを開催地に選んだ理由は、フランスにはアフリカ系の移民が多く、アフリカ系の人々、ひいてはアフリカ市場に向けたビジネスが続々と登場しているからだ。アフリカ、欧州を拠点にしている起業家も、パリであれば地理的にも集まりやすい。今回はFaBの創始者であるオディール・ルジョル氏もサンフランシスコから駆けつけた。
FaB アフリカのオーガナイザーは、パリのインキュベーション施設であるStation Fにベースを構え、アフリカのテック業界と海外のテックコミュニティをつなぐAfrobytes の共同創業者 アウェヤ・モハメド(Haweya Mohamed)氏だ。アフリカでは、MIT(米マサチューセッツ工科大学)卒業者など若く優秀なテクノロジー系人材がどんどん祖国に戻ってきている。Afrobytesでは欧州でアフリカのテックイベントを開いたり、ビジネスマッチングを行い、彼らが活躍するためのエコシステムを整えている。
モデレーターのアウェヤ・モハメド氏と
オディール・ルジョル氏
フランス在住の650万人の移民のうちアフリカ出身者は46.1%を占めるが、人口約6,700 万人のフランスの中ではマイノリティだ(データ:仏国立統計経済研究所)。世界的な動きではあるが、アフリカ市場を語る上で「ダイバーシティ(多様性)」「インクルージョン(社会的な排除をなくすこと)」というワードはやはり外せない。性別、人種、民族、国籍、社会的地位、障害の有無などにより排除されることなく、誰もが生活しやすい社会を作るムーブメントが、さまざまな業界で起こっている。
ファッション業界では、グッチが2018年秋冬コレクションに発表したニットが人種差別的なデザインだと物議を醸し、深く謝罪した上で、2019年2月にダイバーシティ&インクルージョンに力を入れると発表したことは記憶に新しい。近年、NYコレクション、パリコレクションなどのショーにも、さまざまな肌色、体型、ジェンダーのモデルが登場するようになり、今年は人種的な多様性が最も高まったと複数のメディアが報じた。
もはや企業も無視できないアフリカンビューティー市場
「ファッションショーでマイノリティのモデルを登場させることはビジネスのためでもある」という見解を示したのは、フランスのジャーナリストでTV番組のホストも務めるロキャヤ・ディアロ(Rokhaya Diallo)氏だ。同氏は10年前から人種、性別、宗教の平等のための活動を行なっており、「フランスにはアフリカ系移民が多く、需要が高いにもかかわらず、私たちはずっと無視されてきた」と過去を振り返る。
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