韓国コスメをデータで世界に売り込む流通支援スタートアップB2LiNKの分析力
◆ English version: Startup B2LiNK helps meet the demand for Korean cosmetics in markets around the world
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韓国美容業界内で着実に認知度をあげている注目の流通系スタートアップがある。化粧品に特化したB2B向けデジタル流通プラットフォーム「umma(ウーマ)」を運営するB2LiNKだ。中小規模の韓国ブランドを海外に拡販する“強い味方”としての地位を確立する同社の、差別化されたコンセプト&ビジネス手法を探る。
世界350のリテイラーに韓国コスメを供給
外資大手による買収や大型投資を受けてグローバル市場への進出を果たし、その名が世界的に知られるようになった韓国新興化粧品ブランドは少なくない。だが、韓国コスメの海外進出を流通面からサポートする存在の、B2LiNKという企業を知る人はまだそれほど多くはないはずだ。
B2LiNKは海外の小売企業向けに韓国コスメを販売するスタートアップで、韓国美容業界内では高い知名度のある企業だ。設立は2014年、コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニー出身のイ・ソヒョン代表、タトゥー専門誌の発行人や整形外科クリニックのマーケターとして従事してきたパク・ヒョンソク副代表らが起業した。いずれも男性であるため、韓国メディアは彼らを「K-Beautyを売る男たち」という異名で呼んでいる。
B2LiNKが運営する「umma」
出典: umma公式サイト
創業メンバーは、K-Beauty市場が堅実な成長を果たすに違いないという“勘”だけを頼りに起業したというが、そのビジネスモデルはみごと的中することになる。同社は着実に成長を遂げ、2020年7月末までに、累計1,730億ウォン(約165億円)の売上げを達成した。資金調達に関しては、公表されているだけでも、シリーズCまでで約275億ウォン(約26億2,000万円)を集めることに成功。プレミアパートナーズ、ポスコ技術投資など韓国のベンチャーキャピタルのみならず、OEM大手の韓国コルマーの持ち株会社の韓国コルマーホールディングスなどが株主になっている。
韓国コルマーホールディングスの関係者は、B2LiNKに投資した理由ついて「他社とは差別化された流通の形」をあげている。従来、流通企業は最新情報の入手が遅れているエリアに話題の新商品を持ち込む、いわば「情報の非対称性」を利用して売上を伸ばすのが定石だったが、B2LiNKは「情報の共有」をコンセプトに据え、デジタルを駆使して情報を拡散することで販路を拡大する。こうした新たなB2B販売モデルに期待が寄せられているのだ。
B2LiNKは米国、中国、台湾などに支社を構え、2020年現在、23カ国、約350のリテイラーと取引実績を築いている。代表的なクライアントには、中国のTmallやJD.com、JUMEI.COM、米国やメキシコのコストコ、アマゾンなど各国の小売大手が含まれる。中小ブランドが多い韓国化粧品業界において、B2LiNKは世界中に流通・販売網を持つ心強い存在という立ち位置を築いている。
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