起業するのに最適な都市、ベルリンに集うビューティスタートアップ
◆ English version: What’s unique in Berlin’s #BeautyTech
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記念すべきベルリン初のBeautyTech MeetUpでは、自由な発想と柔軟な起業運営を試みるスタートアップ各社が、それぞれの取り組みを語り合い、活発なディスカッションが行われた。
2019年1月、BeautyTech Berlinのローンチイベントが開催された。リードを取るのはヨガ愛好者のためのオンラインコミュニティとECを運営するYoganectファウンダー/CEOのエルヌラ・アシモヴァ(Elnura Ashimova)氏。2017年にサンフランシスコで始動したBeautyTech MeetUpの発起人でシリコンバレーの投資家、オディール・ルジョル(Odile Roujol)氏に直接声をかけられたのがきっかけだという。アシモヴァ氏自身はハンブルグを拠点にしているが、ベルリンまでわざわざ通ってドイツBeautyTechコミュニティを育てるというのは、スタートアップにおけるベルリンという土地の重要性を物語っている。
主宰のエルヌラ・アシモヴァ氏
その意味を踏まえて、当日のMeetUpの模様を紹介する前に、ドイツにおけるベルリンという都市の立ち位置を、過去から少し遡るかたちでみておきたい。
アーティストの自由都市ベルリン
今年で壁崩壊30周年を迎えるベルリンだが、壁が存在していた時期は陸の孤島だった西ベルリンが、壁が壊されてからは旧東ベルリン地区が、それぞれアーティストの楽園として栄えた。国際化の波から逃れ、一般的慣習や常識から解き放たれたエアポケットのような空間となったベルリンは、束縛や監視のない表現を追い求める人たちを熱狂させたのである。
20世紀、いくつもの政治的天変地異を味わったベルリンを、冷戦終焉後に立て直していったのはアーティストたちだ。スクワット文化と称されるが、街を管理する存在がない当時、アーティストは空っぽの廃墟を占拠し、住処やアートスタジオ、ギャラリーを作った。取り締まるシステムがなかったので不法ともいえない、まさにカオスの時代だ。
ベルリンの90年代から2000年代は、伝説的テクノミュージックパーティー「ラブパレード」に象徴される、自由と平和へのシビル・アクティビスムの絶頂期だった。それはベトナム戦争のフラワームーブメントを巻き起こした70年代バークレー、サンフランシスコと似たエッセンスを持っている。今、起業家やエンジニアがシリコンバレーからベルリンへ渡ってくるのは、そういった文化背景を肌で感じ取っているからかもしれない。
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