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AVEDAが採用のリユース配送バッグや、プラスチックニュートラル実現などサステナブル最前線【NRF2022】

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NRF(全米小売業協会) 2022で注目の登壇セッションや出展企業を紹介するレポートの第2弾は、小売業界においても必須の取り組みとなっているサステナビリティについて取り上げる。IKEAが進める、バリューチェーンに関わる全ての人々へポジティブな影響を与える戦略、プラスチックニュートラルを実現した米消費財メーカーGrove Co.、リユースできる配送用パッケージReturnityを採用したAVEDAなど、それぞれのアプローチを紹介する。

先行する消費者意識に、小売業界として対応できるサステナビリティとは

米ニューヨークで2年ぶりのリアル開催となった世界最大規模の小売ビジネスショー「NRF2022:Retail’s Big Show」で焦点があてられたトピックの1つが「サステナビリティ」だ。

デロイトのER&I(Energy, Resources & Industrials)リサーチセンターでエグゼクティブディレクターを務めるケイト・ハーディン(Kate Hardin)氏は、NRF 2022でのセッションにおいて、23カ国2万3,000人を対象にした最近の調査結果から、回答者の72%が気候変動は緊急事態と考えており、57%が懸念していることがわかったと話す。また、55%が過去4週間にサステナブル製品やサービスの購入をしたが、そのうち30%が一般の商品よりも割高な金額を払ったと回答している。消費者はサステナブルな消費行動を取り始めているが、その対価としての支出は消費者負担になっているのだ。

このように環境保全やリサイクルなど、個人のサステナビリティに対する意識改革はすでに進んでいる欧米でも、ビジネス構造や生産体制をサステナブルにトランスフォーメーションできる企業はまだ多くはない。その状況下でも小売業界のサステナビリティをリードする企業として、グローバル企業IKEAと、パーソナルケア製品などの消費財メーカーGrove Collaborativeが、NRF 2022でのセッションに登壇した。また、再利用可能な配送用パッケージソリューションを提供するReturnityのサービスも取り上げる。

不要家具のリセール、低価格の「サステナビリティ」で行動するIKEA

キーノートセッションで、IKEA USAのサステナビリティ・チーフオフィサーでありCEOのハビエル・キニョーネス(Javier Quiñones)氏は、サステナビリティはIKEAのDNAであると語る。そしてIKEAは、サプライヤーと協力して公正な労働条件を整備し、資源を賢く使い、家庭でよりサステナブルな生活を送ることを顧客に呼びかけるなど、人と地球にプラスの影響を与える事業形態を目標にしているとして、ハビエル氏自身とIKEAのサステナビリティに対する考えを述べた。

ハビエル氏はまず「サステナブルな商品の選択は、割高な価格を支払うことができる一部の人々だけのものであってはならない。多くの人の手に届くように、低価格でもサステナビリティを実現させる必要がある」とする。この考えのもと、IKEAが実践した事例として、2015年に、扱う照明関連製品をすべてLED電球使用のものに切り替えたことをあげる。LEDは白熱電球に比べて消費電力が85%少なく、寿命も20倍長持ちするからだ。また、この取り組みが始まった当時は、LED電球は7~8ドルで販売されていたが、現在では1.29ドルとなっている。

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