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肺を鍛えるデバイス、ウイルスのスクリーニング、メンタルケアなどデジタルヘルスの最前線【CES2021】(5)

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パンデミックを機に人々の関心が最も高まった分野が「心身の健康」だった。CES2021最後のレポートでは、体調や健康促進のための自己管理や、遠隔医療、ストレスや不安の解消などのメンタルヘルスを、テクノロジーがサポートする「デジタルヘルス」分野のイノベーションを紹介する。

「デジタルヘルス」は2021年のキーワードに選出

CES2021で開催されたウェビナー「テックトレンドウォッチ(CTA’s 2021 Tech Trends to Watch)」セッションでは、2021年のキートレンドとして「5G」や「デジタルトランスフォーメーション」とともに「デジタルヘルス」が挙げられた。

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出典:CTA’s 2021 Tech Trends to Watchスライド

同セッションでは、パンデミックが宣言されてから、米国では医療機関のバーチャル問診の予約数が、15日間で10倍に跳ね上がったことが明らかにされたほか、米国におけるコネクテッドヘルスモニタリングデバイス市場は、向こう3年間の年平均成長率は14%で、2024年には12億4,600万ドル(1,304億円)に達すると予測した。

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出典:CTA’s 2021 Tech Trends to Watchスライド

近年、予防医療の重要性は認知が広まったが、パンデミックを経験した消費者は一歩進んで、日頃の「自己管理」にもとづき健康の維持と増進を図るという意識が高まっている。この状況を受け、ユーザーの現在の健康状態を可視化するにとどまらず、データをもとに、より健康になるためには何をすべきかを提案し、コーチングして伴走するデバイスが続々登場している。体調データの取得から分析、アドバイス、健康法の実践まで、アプリを通じてセルフで完結することから、「消費者DIYヘルス(DIY Consumer Health)」という言葉も使われ始めている。

パーソナル呼吸トレーニングデバイス「BULO」

サムスン電子からスピンオフした韓国のスタートアップBREATHINGS Co., Ltdの「BULO」は、肺の健康をサポートする世界初のパーソナル呼吸トレーニングデバイスで、Health & Wellness部門で革新賞を受賞した。

IoTデバイスを口にくわえ、6秒間息を吐くことで、連動モバイルアプリが、肺年齢や最高肺活量を分析し表示。あわせて、パーソナライズした呼吸トレーニングを提案する。毎日の成果をアプリでトラッキングすることで、トレーニング内容も現状に沿って変化していき、肺機能の強化につながるとうたう。持ち運びが楽なコンパクトサイズで、洗うなどの手入れも簡単なため、日常生活に取り入れやすく、アスリートやダンサー、管楽器の演奏家たちはもちろん、喫煙者や大気汚染地域に住む人、ストレスを感じやすい人にも向いているとしている。

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