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韓国コスメが世界で強い理由、スタートアップの多さと柔軟性、そしてスピード

◆English version: 4 reasons why Korean cosmetics are conquering the world
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世界を席巻する「K-Beauty」。2017年の韓国の化粧品輸出額は39億2,400万ドル(約4,321億円)と、輸入額11億7,300万ドルの3.3倍にもなる。K-beautyがここまで世界に浸透した背景には、スタートアップを輩出しやすい環境と、立ち上げ当初からグローバル展開を見据えた販売戦略などがあるからだ。

出典:ナンダ社3CEのサイトより

グローバル企業が有力韓国ブランドを傘下に

2018年5月、ロレアルは、「スタイルナンダ」や「3CE」を手掛ける韓国のナンダ社を買収。世界最大手の化粧品企業がK-Beautyの代表格を傘下におさめたというニュースは発表当時、世間を大いに驚かせた。2017年の売上が約167憶円に及ぶナンダ社の買収金額は、正式には公表されていないが、現地メディアの間では4,000憶ウォン(約400憶円)ともいわれている。

大手海外化粧品企業がK-Beautyに注目したのは、ロレアルが初めてではない。過去にもパルファン・クリスチャン・ディオールが韓国化粧品最大手のアモーレパシフィックと技術提携をしたり、ユニリーバがAHCの製造社カーバーコリアを3,000億円で買収したりと、世界的影響力の強い大手企業がこぞってK-Beautyの有力ブランドに熱視線を注いでいる。

韓国の化粧品には世界中の女性たちが心惹かれる要素が満載だ。インスタなどSNS映えするパッケージデザイン、中高生などの若年層でも手の届く価格設定、BBクリームやスポンジファンデーションなどといった代表的な商品の確立など、多くの魅力が凝縮されている。

カラフルなドクターズコスメIt’s skinの化粧水シリーズ

K-Beautyがこれほどまでに海外から注目されるようになった理由のひとつに、化粧品スタートアップが生まれやすく国内の厳しい競争をへて成長する環境と文化がある。そのポイントを4つにまとめてみよう。

1.資金が少なくても化粧品会社を立ち上げられる環境

韓国には、小ロットで化粧品の製造を請負い、許認可までサポートしてくれるOEMメーカーや工場が多く、豊富な資金や化粧品製造の知識がなくても、アイディアをすぐ形にできる環境がある。そうやって生まれたブランドの数が多いほど競争が生じ、業界全体の品質も上がっていくことは言うまでもない。商品を製造ラインに乗せるまでの決断や行動が早いのも特徴で、韓国ではスピードを求める国民性から、まずは新製品を生み出し続けて何かあれば改善をはかるというサイクルを回すことで技術力や品質の改善を図っているのだ。化粧品のなかでも、マスクはとくに製造原価が安く、学生でも30万円あれば数か月のうちに製造・販売できる環境が数多くのスタートアップを輩出している。学生で起業し大きく成長した事例としてよくあげられるのが自然派コスメのAprilSkin(エイプリルスキン)だ。(日本語サイトはこちら

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