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中国Q&Aプラットフォーム「Zhihu(知乎)」が美容分野を強化、各社が使途を模索中

◆ English version: China’s information platform Zhihu catches the eye of beauty companies
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中国のQ&Aプラットフォーム「Zhihu(知乎)」は知識共有の場として、若い世代を中心に広く利用されている。そのナレッジコミュニティが今、日本のTwitterでのいわゆる「美容垢」のように使われたり、クレーム窓口としてコミュニケーションの場になったりと、美容業界での活用も目立ってきた。その背景や実際の事例を紹介する。

Zhihuは周源CEOらが2010年12月にQ&Aサイトとしてローンチ。当初は招待登録制だったが、2013年から広く一般に開放。その後の1年間で、ユーザー数は40万から10倍の400万に急増した。現地報道によると、2019年1月時点のユーザー数は2.2億超で、回答数は1.3億を超えるという。運営会社は北京智者天下科技。ほかの中国メガIT企業同様、社内に共産党支部があり、政府との距離も近い。

ZhihuはQ&Aにとどまらず、さまざまな機能を追加することでユーザーの知的交流を促してきた。有料会員になれば電子書籍の閲覧ができたり、オンライン講座受講のサブスクリプションサービスがあるのもその1つだ。講座は離婚問題から語学、マーケティングまで幅広い分野を扱っている。さらに2019年11月には、ウィキペディアのような「Zhihu百科」を立ち上げた。

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Zhihuのウェブサイトより

EC連携やライブ動画配信機能を実装

一方で、最近ではナレッジコミュニティとは離れ、ECとの連動やライブ配信などトレンドの機能も取り入れている。同社は創業直後から資金調達を繰り返し、2019年8月にはシリーズFラウンドで4.34億ドル(約477億円)を調達したが、投資家からの収益化への圧力がより強くなっている背景もある。

2019年9月には、トライアルで「Zhihu好物推荐(推薦)」という、ECと連携するための機能を実装した。一定の基準を満たしたユーザーは、投稿や回答の書き込みにアリババ傘下のTmall(天猫)やJD.com(京東商城)などで販売されている商品のリンクを貼付することができる。

Zhihu好物推荐は公式アカウントも開設しており、ユーザーに対してさまざまな質問を投げかけている。たとえば、今の時期は新型コロナウィルスの感染拡大を受け、「隔離期間中、あなたは『精致宅(家でもきちんとした格好)』? それとも『睡衣(パジャマ)族』?」といった質問が出されている。つまり、外出ができなくても家の中で化粧をしておしゃれな格好をして過ごすか、それともパジャマを着て過ごすかというユニークな質問だ。

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