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【CES2024】ロレアルが美容企業として初の基調講演、その背景にみるビューティテックの未来

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米ラスベガスで2024年1月9日〜12日に行われた「CES2024」では何が語られ、どんな未来像が提示されたのか。ビューティテックやリテールテックを含むイノベーションの方向性を占う意味でも重要ないくつかの基調講演を軸に、現地取材したBeautyTech.jp編集長の矢野貴久子が3回に分けてレポートする。1回目はロレアルを取り上げる。


「次の時代に来るもの」を見抜き、投資・実行サイクルを繰り返すロレアル

2024年1月9日〜12日に行われたCES2024では、ロレアルCEOの二コラ・イエロニムス氏が美容企業として初のキーノートスピーチを、しかもトップバッターとして行った。これはロレアルにとっても世界中の美容企業にとっても大きな意味がある。美容企業はテック企業へ向かうのだ、という強力なメッセージだ。

今回のCESのテーマは「ALL ON(すべてのことはここにある、ここから始まる)」だが、115年の歴史をもつロレアルは美容業界ではまさにそれを体現している存在だ。ビューティはこうあるべしという未来像をしっかりと持ち、そのビッグピクチャーに向かって、テクノロジーやサステナビリティ、多様性や包括性といった領域にまんべんなく投資を行ってきた。その結果、それぞれの分野での「本気度」をみせつけ、優秀な人材を惹きつけて今のグローバルNo.1の地位を築いている。

登壇したロレアルCEO 二コラ・イエロニムス氏

イエロニムス氏の登壇前に、CESを主催する団体CTA 社長 兼 CEOのゲアリ・シャピロ氏やそのほかの幹部が開幕を告げるスピーチを行い、そのなかで「あらゆる企業がテクノロジー企業になり得る、いや、なるべきだ」というくだりがあったが、ロレアルはそれをいち早く体現してきた。美容企業がテクノロジーを経営戦略やマーケティング、ツールとしてどう活用すべきかという王道、あるいは雛形のようなものが、ロレアルにはすべてつまっているかのように思える。

CTA 社長 兼 CEO ゲアリ・シャピロ氏

ロレアルは2016年からCESに出展を続けている。この間に数々のイノベーションを生み出してきた同社にとって、この基調講演は、世界に向けて、彼らがすでにテックカンパニーであることの宣言でもあり、次のステージに進む準備がすでに万端であることをうかがわせるものだった。この素晴らしく構成されたスピーチは、美容の歴史とともに、一般消費財企業がいかにしてテック企業たる存在になったかもよくわかる内容になっていた。そのイエロニムス氏の基調講演は下記から視聴できる。

ビューティテックが大テーマとなった一方で、グローバル美容大手の展示は減少

CES2024では、ロレアル以外の美容企業、たとえば、P&Gやユニリーバ、ジョンソンエンドジョンソンといった過去の出展企業の姿はなかった。初参加の資生堂が存在感をみせた以外は、アモーレパシフィックなどの大手からスタートアップも含め韓国企業の膨大な出展数に圧倒された会場でもあった。他の大手美容企業がテクノロジーから遠ざかっているわけではもちろんなく、CESに出展することの意義を見定めた結果だろう。

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