デジタルによる色の民主化、Coloroが美容業界に与えるインパクト
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長きにわたり、パントーンに頼ってきた色の可視化がColoroというデジタルコーディングの仕組みで再構築された。テクノロジーで色を操り、クリエイティビティの可能性を広げ、そしてデータのかけあわせでビジネスの効率化をはかる。日本でも、リリース直後に大手化粧品メーカーが採用し、理論的な色戦略で売上増への期待をかける。Coloroのマネージング・ディレクター、ソーステン・トゥロゴット(Thorsten Traugott)氏に話を聞いた。
カラーコーディングの新システム、Coloroとは?
色はビジネス上では消費者の購買意向を左右し、製品の価値を決める大切な要素でもあり、ブランドにとってはそのイメージやストーリーを形作る重要な役割を果たしている。しかし、これまでは感覚的な判断で語られることが多かった分野でもある。
色を科学的・理論的にとらえつつ、誰でもが直感的に使えるデジタルツールColoroが2017年に発表され、それまの常識をがらりと変えた。これは、ロンドンに本社をおくB to Bビジネスのサポート企業、Ascentialが、そのグループ企業で世界的に有名なファッショントレンド予測サービスのWGSN(日本では伊藤忠ファッションシステムと提携)と、繊維に関する情報サービスを提供する中国のCTICと組んで生み出したものだ。CTICは、人の目が実際に分別する色についての調査研究を20年に及び行ってきた実績がある。
さらに、ファッション業界だけでなく、アディダス、メーシーズ、アシックス、フォルクスワーゲン、ウォールマート、ボーコンセプト(BoConcept)といった、すでに色に対して独自の考え方や経験値を持っている多様なリーティング企業を色のエキスパートとして迎え、協働した。彼らの長年にわたる色に関する研究と情熱、ビジネスニーズを背景に、テクノロジーと人知が融合した革命的な色のコーディングシステムが世に送り出されたのだ。
「Coloroを開発するにあたりエキスパートとして参加した各社の担当者は、自社の持つ色情報やブランドの色システムを理論的に体系化して、もっと簡単に今後の色戦略策定に活かしていきたいという強い願望があり、積極的に開発プロセスに参画するだけでなく、今ではColoroのコーディングシステムを大いに活用している」とトゥロゴット氏はいう。
Coloroは、色相/明度/彩度の色の三属性によるアルバート・マンセルによる分析手法をベースにしつつ、色のいわば3Dモデルが基本だ。理論的に再現可能な160万色のなかから3500色を選び、デジタル上で7桁の数値で体系化し、ユーザーはそれをオンライン上と実際の色チップや布の形態で自由自在に操ることができる。
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