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中国新興ブランドの「カプセル口紅」がコロナ禍で人気上昇、癒やしと実用性が理由

◆ English version: Capsule lipstick taking young Chinese market by storm with cheeky packaging, new consumer needs
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中国の若い世代の間で、薬のカプセルのような容器入りのミニサイズの口紅、通称「カプセル口紅」の人気が急上昇している。目立つのは中国で力をつけている新興ブランドのアイテムだ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の最中に注目度が増したとみられる。流行に至った背景を探るとともに、人気の高いブランドを紹介する。

中国の美容メディア「Jumeili.cn(聚美麗)」によると、カプセル口紅は2~3年前に米国で誕生し、その後、韓国で発売されて中国には1~2年前に上陸したという。今では展開するブランドも増え、TikTokの本家中国版「Douyin(抖音)」でも話題になった。860万以上のフォロワーを抱える人気ティックトッカー「認真少女_顔九」がアイテムを紹介した投稿には5万以上の「いいね」が付き、さらに、現在最も影響力のある男性KOL(Key Opinion Leader)の李佳琦が紹介したこともブームに拍車をかけたようだ。

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カプセル口紅を紹介する
「認真少女_顔九」の投稿
出典:Douyin(抖音)

コロナ禍の癒やしアイテムとして人気に

カプセル口紅への注目は、そもそもは口紅に対する消費者の要望や不満がその背景にあった。いろいろなカラーやブランドの口紅を試したいが、なかなか1本は使い切れない。また、最近はミニバッグがトレンドで、持ち歩くコスメはできるだけ少なく小さくしたいという思いもある。コンパクトサイズのカプセル口紅は、こうした悩みを解決してくれるものだ。

あわせて、注目度が高まっているのはコロナ禍が背景にあると前掲のメディアは指摘している。先行きが見えない不安な気持ちが人々の間に広がるにつれ、小さくて可愛らしい商品に心惹かれる気持ちが無意識のうちに起きているという。消費者はいわば「カプセル口紅を癒しと捉えている」との分析もある。

実際、COVID-19拡大に重なるように、2月末から関連ワードの検索数が急増し、中国SNS・Weibo上のハッシュタグ「ミニカプセル口紅(小胶囊口紅)」の閲覧数は1.2億回を超えた。カプセル口紅を販売しているのは、主にいま伸び盛りの中国新興ブランドだが、通常サイズの口紅よりリーズナブルに買えることもあり、コストパフォーマンスの高さについて言及するユーザーが多い。景気が悪化したことも、カプセル口紅が急速に伸びている一因といえよう。

遊び心のあるネーミングやパッケージ

では、実際に「カプセル口紅」を出している中国新興の4ブランド、海外の1ブランドをみてみよう。

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