日本発Lily MedTechが大きく変える乳がん検診と治療、その革新的アプローチ
◆ English version: Japanese firm Lily MedTech set to revolutionize detection and treatment of breast cancer
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日本発で世界でもその実用化に注目が集まるフェムテック企業がある。東大系スタートアップのLily MedTechだ。2年後の上市を予定しているマシンは乳がん検診の課題をクリアし、効率的な治療まで視野にいれユーザー(患者)体験を大きく変える。先進国、新興国どちらにおいても、乳がんの検診、診断、治療へのアプローチが大きく変わる可能性を秘めている。
出典:LilyMedTechの公式サイトより
「現在の乳がん検診にはさまざまな課題がある」と話すのが、株式会社Lily MedTech代表取締役CEO 東志保氏だ。日本における最大の課題は、約41%という日本人女性の乳がん検診率の低さで、これは、OECD(経済協力開発機構)加盟国34ヵ国の中でも最低水準となっている。
マンモグラフィ(乳房X線診断装置)は、乳房を圧迫するため、その痛みに尻込みする女性は多い。そのうえ、マンモグラフィは、若年やとくにアジア人女性に多い乳腺密度の高い高濃度乳房(デンスブレスト)で腫瘍を見つけにくいという課題がある。それを補うのが超音波検査で、乳腺密度に関係なく腫瘍を映し出すことが可能なのだが、撮像を行う検査技師のスキルに依存するところが多く、撮り漏らしのリスクもつねに伴う。
検診率が低いうえに、検診の精度にもばらつきがある。しかも、日本において乳がんは増え続けている。日本だけでなく、世界的にも経済発展と乳がん増加の相関関係が指摘されており、乳がんの早期発見は喫緊の課題だ。
その乳がん検診における、ユーザー側と医師側、さまざまな課題を解決するべく開発されたのが、Lily MedTechの乳房用超音波画像診断装置「リングエコー」だ。その革新的な発想は、ひとつひとつの課題をクリアするどころか、世界の乳がん検診を変え、女性のQOLをあげ、乳がんにまつわる医療費を大幅に削減できる可能性を秘めている。
リング状の超音波振動子を用いた画期的な撮像技術
リングエコーはベッド型の検診装置で、ベッドの中央にある穴には、リング状の超音波振動子が取り付けられた容器がお湯で満たされた状態で設置されている。
開発装置イメージ
画像提供:Lily MedTech
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