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韓国ダイソーが新興コスメブランド販売店として頭角、オリーブヤングに次ぐ有力流通チャネルへ

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日本や諸外国と同様に物価が高騰している韓国では、バラエティに富んだ生活用品を安価で販売する牙城ダイソー(以下、韓国ダイソー)の人気が急上昇中だ。化粧品の販売網としても注目されており、取扱いを希望する新興ブランドが後をたたない。韓国国内におけるダイソー人気と販売されているビューティブランドのラインナップを紹介するとともに、コスメ流通チャネルとしての潜在力や今後の展望をレポートする。

ビューティ関連商品の好調が後押し、過去最高益を記録した韓国ダイソー

韓国では近年、「高物価時代」という言葉が頻繁に使われるようになった。2~3年ほど前から首都ソウルなど都市部を中心に不動産価格が劇的に高騰。その後、食品や生活用品の物価も継続的な値上げが続いており、最近では水道代など公共料金の引き上げを示唆する自治体も増えている。こうした日本と同様のインフレ傾向の社会状況にあって消費者から人気を集めているのが、1,000ウォン(約110円)~5,000ウォン(約570円)の価格帯で日用品や生活必需品を販売する小売チェーンの韓国ダイソーだ。

韓国ダイソーの店舗
出典:CONSUMER WIDE

韓国ダイソーは、日本の大創産業と牙城ダイソーが2大株主となっていたが、2023年12月末に牙城ダイソーが大創産業の全持ち株を取得。現在では韓国資本100%となり、日本のダイソーとは資本関係が消滅している。

韓国ダイソーの売上は、2019年に初めて2兆ウォン(約2,275億円)を突破。2023年には3兆4,604ウォン(約3,936億円)を記録し過去最高売上を更新した。前年比では17.9%増の成長だ。韓国ダイソー関係者は「コロナ禍後のオフライン消費の復活」や、「“価性比”(価格に対する性能の良さ=コスパ)を求める需要の増加」などが業績好調の要因だと説明している。

韓国ダイソーではさまざまな商品が販売されているが、なかでも業績好調を後押ししているのがビューティ関連商品だ。同社が発表した2023年1〜10月のカテゴリー別売上順位では、ビューティ・パーソナルケア用品が1位を記録。とくに基礎化粧品やメイクアップの販売が好調で、2023年10月~2024年1月の化粧品カテゴリーの売上は前年同期比165%増の成長となった。

韓国ダイソーでは売上強化の施策のひとつとして、こうした化粧品のラインナップ強化を続けてきた。有力な販売チャネルとして浮上した韓国ダイソーに対し、取扱いを希望する新興ブランドの問い合わせも増えているという。これら2つの要因があいまって、2021年に4ブランドだった新規取扱いブランド数は、2022年7ブランド、2023年19ブランドと増加傾向にある。2023年末には26ブランド、約250種類のビューティ関連商品が販売されている。

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