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GEMやWaphyto、植物成分を最大限に活かす思想のサプリは半生やリキッドの新形状

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パンデミックの影響でセルフメディケーションの意識が高まり、サプリメントをはじめとしたインナーケア需要が拡大している。そのなかで、植物のもつ成分をより効果的に摂取することを目指し、ナチュラル志向を深めたインナーケアアイテムが生まれている。米国発の 、いわば半生サプリ「GEM(ジェム)」と日本発の液体サプリ「Waphyto(ワフィト)」にみる新しいアプローチを紹介する。

■GEM
加工を最小限にして植物そのものを摂取するよう設計されたリアルフードビタミン

2018年創業のGEMは、藻類や植物由来の13種類の原材料からできたひとくちで食べられるリアルフードビタミンで、パウダー状の素材やフルーツ、種などをそのまま練り固めたような半生状の形状が特徴だ。保存料は一切使用しておらず、製造から6ヶ月、常温での保存が可能だ。

創業のきっかけは、GEM Vitamins社 CEO サラ・カレン(Sara Cullen)氏自身の経験にある。2017年に深刻な体調不良に悩まされたカレン氏は、ビタミンDや鉄分などの主要な栄養素が不足しているのに加え、小麦、大豆、とうもろこしなどの食品にアレルギーがあることが判明した。

そこで、必要な栄養素が補え、かつできるだけナチュラルな成分でできているサプリメントを探したが、市販されているほとんどのサプリメントには、充填剤、合成着色料などカレン氏にとっては不要と思われる成分が含まれており、天然の植物由来の製品を見つけるのが難しかったという。唯一、カレン氏の求める条件を満たした栄養源がスピルリナ(藻類)で、それを摂取し始めてから健康状態が劇的に改善したことから、カレン氏は栄養学について独学で学び、研究を深めたのちにGEMを立ち上げた。

開発過程では、第一線で活躍する医師や科学者からなるチームに研究と情報提供を依頼。何千もの科学論文をもとに現代の食生活でみられる栄養不足を解消し、日々のストレスや疲労などの日常的な問題を解決するために、女性が最も必要とする15種類以上の主要な栄養素を特定した。

約1年かけ、30以上の試作品を経てGEMとして商品化。現在も、統合医療、機能性医療、神経学、分子生物学、栄養学、そして食の分野にまたがる科学者、医師、研究者からなる複合的なチームで開発を行っている。

現代の加工食品・精製食品の多くは、その製造過程で栄養価のほとんどが失われるため、不足したビタミン類はサプリメントなどで補う必要があるが、「サプリメントは、リアルフードを食べるよりも効果があるとは限らない」とカレン氏は指摘している。その理由は、ほとんどのサプリメントは、個々に抽出された栄養素(ビタミンD、C、Eなど)、もしくはそれを組み合わせたマルチビタミンのサプリメントとして販売されており、分離された栄養素では、食品を摂取したときと同じように消化・吸収されないからだという。

「リアルフードを摂取すると、体はゆっくりと栄養素を分解し、代謝する。そして、リアルフードには、栄養素を効率的に消化・吸収するために必要な補酵素や生物活性物質(体全体や特定の組織・細胞に影響を与える食品成分)が多様に含まれているので、それらも一緒に摂取することができる。しかし、カプセルタイプのサプリメントは、栄養素をより早く放出するものが多く、リアルフードに含まれる補酵素や生物活性物質も含まれていないため、栄養素の吸収効率が悪くなる」とカレン氏は説明している。

GEMは、加工をできるだけ最小限にとどめてシンプルであること、そして可能な限り藻類を用いることを信念とし、世界の100以上の農家や生産者と直接会って確認することで、使用するすべての原材料が「リアルフードであること」「不必要な人工添加物を使用していないこと」「ヴィーガン対応であること」「グルテンフリーであること」の4つの基準を満たしている。

現在は、免疫、睡眠、栄養補給、ストレス改善の4製品を取り揃えており、ユーザーからは、「噛みごたえがあって味もおいしい」「必要な栄養素のほとんどを摂取することができるし、美味なので朝起きて食べるのが楽しみ」といった声が多数寄せられている

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Webサイトでは各製品に含まれる成分の
詳細をみることができる
出典:GEM公式サイト

カレン氏は、「現代の食品は過剰に加工されており、栄養価が低下している。そのため、精製されていないリアルフードで、栄養価の高い、かつ最大限吸収される"食事"を考案した。GEMはサプリメントの一種に思われるかも知れないが、それ以上のものだ」と述べている

■Waphyto
植物のDNA/RNA解析から導きだされるプロファイリングをもとに、独自技術で抽出したエキスを凝縮

2020年9月に誕生した、日本のフィトテラピー(植物療法)の第一人者、森田敦子氏が創設したトータルライフケアブランド「Waphyto」から、エキス状のインナーケアサプリメント「インナーリキッド」が2021年3月に登場した。配合成分の選定から成分抽出、配合率の決定までを自社で行っているのが特徴で、森田氏は「植物は科学であり、人間の体内で起こる反応や相乗効果はすべて科学的根拠がある。きちんと効果を感じることができるようにこだわって作った」と自信をのぞかせる。

フィトテラピーの3つのアプローチである「飲む・塗る・香る」のなかでも、「飲む」ケアは植物の成分をダイレクトに届けて体の内側から健康的な美しさへと導くうえで欠かせないものであるとし、ブランドローンチ時から構想をあたためていたという。リキッドタイプにこだわっている理由について、森田氏は「経口摂取の場合、口の中からも成分を浸透させることができるほか、凝固剤やカプセルなどの不要な成分が一切含まれていないので、胃の負担を軽くすることができるからだ」と話す。

インナーリキッド 
左から「Glow(グロウ)」
「Energy(エナジー)」「Vital(バイタル)」
提供:Waphyto

インナーリキッドは、肌内部のコラーゲンやエラスチンの生成に着目し、バラやドクダミ、サフランをはじめとした11種類の植物を組み合わせた「Glow(グロウ)」、髪や爪の育成に不足しがちなミネラル成分に着目し、スギナや桑、高麗人参、西洋山査子(セイヨウサンザシ)など10種類の植物を組み合わせた「Vital(バイタル)」、植物が持つファイトアレキシンに着目して、免疫力を高めるアマチャヅル、ナルコユリ、エゾウコギなどの11種類の植物を組み合わせた「Energy(エナジー)」の3種からなる。

その開発過程は、以下のとおりだ。まず、愛知県東三河産のバラ、ドクダミ、桑、スギナ、アマチャヅルの5つの植物のほか、全国各地から厳選された植物を集め、研究パートナーである奈良先端科学技術大学院大学などのチームとともに、液体クロマトログラフ(質量分析計および次世代シークエンス)を使って植物の分析、そしてDNA・RNA配列の解析を行う。そして得られた構造式から、どのような成分がどれくらいの温度と圧力下で抽出できるかのプロファイリングを取得する。このプロファイリングのデータベースこそが、東三河で薬草を無農薬で栽培するところからスタートし、約20年間にわたり現地の土壌ならではの植物成分を抽出して効果効能の科学的分析を行ってきた森田氏が提唱するフィトテラピーの独自性となっている。

そして、プロファイリングデータベースから、肌、髪、免疫など目的に合わせた処方の組み合わせのパターンをコンピュータで算出し、そこからもっとも効果の高い成分配合比を導き出していく。成分の抽出は、約17年の年月をかけて完成し特許を取得した「飽和水蒸気圧環流式サイクロン抽出法」で行う。

「同じ植物から抽出される成分でも、肌から浸透させたい成分と、口から摂りたい成分は異なるため、食用と化粧品用とで抽出条件を変えている。体内での異化作用、消化作用を考え、食用に適した抽出条件になるようチューニングしている」(森田氏)

飲みやすさのために甘味料(グリセリン)を加えているが、保存料・合成着色料・合成香料は不使用で、1本で約1ヶ月分の商品設計になっている。

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植物エキスが凝縮したとろみのある液体
提供:Waphyto

第一弾の3製品に加えて、現在は、メンタル、認知、婦人科系の商品を開発中で、ラインナップをさらに充実させていく予定だ。来春には、パートナー企業である武蔵精密工業株式会社主導で、ハラル対応も視野に入れた化粧品製造工場を建設予定で、化粧品や食品も含めて国内外からの生産の要望に応えられる体制を整えていくとしている。

添加物の少ない、より安全性の高いサプリメントへのニーズ

GEMは半生で、Waphytoは液体というそれぞれの形状は「有効成分がより吸収されやすいこと」へのこだわりからだ。また、一般的なサプリメントの形状は錠剤やカプセルで、その多くには、粉の流動性を高めて均一に混ぜやすくする滑剤や、粉を固める賦形剤、セルロース、グリセリン、ゼラチン、プルラン、HPMCなどのカプセル素材などが添加物として含まれる。グミタイプのサプリメントでは、食べやすくするための甘味料や着色料、香料、長持ちさせるための保存料、増量剤などが加わる場合もある。

サプリメントは毎日のように摂取するものだからこそ、目的成分だけでなくどのような添加物が使われているのかにも気を使い、より安全な商品を選びたいという消費者ニーズも高まっている。GEMやWaphytoのような新しいアプローチのインナーケアブランドが示すのは、そのひとつの答えでもある。

Text: 小野梨奈(Lina Ono)
Top image: Waphyto

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