続々登場のフェムテック関連製品やサービスが、女性たちをより生きやすく自由にする
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2016年にスウェーデン人の女性起業家Ida Tin(アイダ・ティン)氏が発案したとされる「フェムテック」という言葉は、今ではエンパワーされた女性たちの存在そのものを象徴するといっても過言ではない。世界中の女性が、自ら抱える課題をテクノロジーの力で解決しようと立ち上がっている。2018年4月にBeautyTech.jpでフェムテックを紹介してから約1年。フェムテックのなりたち、いま注目の製品やサービスをまじえながら、業界を俯瞰する。
2011年に出版された官能小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」に、とある有名なシーンが登場する。
主人公アナスタシアの相手役が彼女の脚の間に手を伸ばし、ゆっくり紐を引っ張ることでタンポンを引き抜く。この一幕は、2015年に公開された映画版からは割愛された。裸体、セックス、ボンデージはありでも、日用品のタンポンは描写できなかったようだ。
女性の体や性について語ることは、長らくタブー視されてきた。タンポンはおろか、生理という生理現象ですら人前で声に出して言うことがはばかられる。
そもそも体のつくりが違うのだから、男女のヘルスケアは異なって当たり前かと思いきや、世界の人口の約半数のニーズはこれまで後回しにされてきた。アメリカの新薬開発の臨床試験に女性の参加が認められるようになったのは、1993年のこと。そう遠い昔のことではないことに驚かされる。
充実するフェムテック市場
ところが、ここ数年で風向きが変わり、女性のヘルスケアへの注目が高まりつつある。2014年からの約4年間で10億ドル(1ドル100円の単純換算で1,000億円)の資金を集めた「フェムテック(FemTech)」が、ヘルスケア市場期待の分野として台頭しているのだ。
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