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PMSによる日本の経済損失6兆円、フェムテックで解決なるか。国内外サービスの試み

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2025年には5兆円規模に成長することが予想されているフェムテック市場。現在、その約5分の1を占めるのが、PMS(月経前症候群)や生理に関連するサービスだ。さまざまな調査によって、PMSが与える社会的なインパクトがいかに多大であるかが明らかになっている。その解決に乗り出している国内外のスタートアップや企業の取組みについて紹介する。

PMSがもたらす損失は日本で6兆円超

日本人で生理がある人の74%が、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害、とくに精神的症状が強く現れる場合に診断される)といった月経随伴症状を自覚しているとされる。PMSは、月経開始の3〜10日くらい前から始まる精神的・身体的症状で、いらいら、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、乳房の張りなどの症状が見られ、月経開始とともに減退・消失する。排卵を抑制するとPMSが発症しないことから、黄体ホルモンが誘因であるといわれているが、詳細なメカニズムはいまだに解明されていない。

女性の社会進出に伴い、PMSが仕事のパフォーマンスに影響を与えることもわかってきた。日本医療政策機構が2016年に実施した「働く女性の健康増進に関する調査結果」によると、PMSを含む婦人科系疾患を抱えながら働く女性の年間の医療費支出と生産性損失を計算すると、医療費支出が1兆4,200億円、生産性損失が4兆9,500億円となり、少なくとも6兆3,700億円の経済損失があるという。

国内外のフェムテックスタートアップに詳しいグローバル・ブレイン株式会社 Director 皆川朋子氏は、海外では「健康経営(Health Management)」としてPMSなど女性の健康を支援するサービスが大きな資金調達を果たし、注目を集めていると指摘する。

「米国では、2020年2月に働く女性の健康と家族計画を支援する『Maven』が4,500万ドル(約47億4,000万円)を追加調達、5月には女性のためのプライマリーケアクリニックサービスを提供する『Tia』が2,500万ドル(約26億3,400万円)を調達するなど、女性の健康を包括的に支援するスタートアップにいま注目が集まっている。生理などを含めてすべての人が働きやすい環境を整える健康経営が、今後、企業にはより一層求められる」と分析する。

PMSの解決を試みる国内外スタートアップ

そういったトレンドに後押しされるように、国内外でPMS対策に役立つフェムテックサービスが続々と登場している。fermata株式会社が公開しているフェムテック市場マップによると、PMSを含む生理関連サービスの割合は、市場全体の5分の1(グローバル:318社のうち71社、日本:51社のうち12社)を占め、PMSの認知、関心の高まりとともに、今後さらに拡大が予想される分野となっている。そこで本記事では、PMS改善のためのアプローチを4つに分け、各カテゴリーで注目の国内外のサービスについて皆川氏に聞いた。

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