米国でD2Cブランドのリアル店舗進出を支えるRaaS「ゴーストリテーラー」【前編:そのサービス全容】
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GlossierやAllbirdsに代表されるD2Cブランドは、オンラインで一定の成功をおさめた後に自社運営のリアル店舗展開でさらにファンを拡大してきた。消費者との新たな出会いとエンゲージメントを強くするリアル店舗の重要性はパンデミックを経てさらにその重みを増し、米国では「ゴーストリテーラー」と呼ばれるRaaS(リテール・アズ・ア・サービス)が登場している。誕生したばかりのD2Cブランドでも自社運営のように店舗を構えることができるゴーストリテーラーについて、従来のRaaSと比較しつつ、前編ではその全体像について解説する。
ゴーストリテーラーが提供するサービスの中身
店舗を持たずにオンラインで注文を受け、人目に触れないキッチンで調理した料理を配達する “ゴーストキッチン” といわれる形式がコロナ禍の飲食業界では注目された。今回紹介する “ゴーストリテーラー” の意味合いは、それとは少し異なる。ゴーストリテーラーとは、実店舗を持ちたいブランドに、商品の製造もしくは調達、マーケティング以外のすべてをサービスとして提供する企業だ。米国におけるゴーストリテーラーの代表格であるLeapのサービス分類によると、大きく下記の5つの分野をカバーする。
従来は、小売のノウハウを持たないD2Cブランドが店舗を持つにあたっては、さまざまなサードパーティー企業やコンサルティング企業への委託が必要であり、企業内でも多くの時間と資金を投資し、必要な機能や人材を準備していた。それらを丸ごと一括して任せることができるのがゴーストリテーラーだ。彼らのサービスを利用することで、ブランド側はリスクを最小限に抑え、商品開発やマーケティングなど、ブランドが得意とする部分にリソースを集中させることが可能になる。
従来のRaaSとゴーストリテーラーの比較
RaaSと呼ばれる、ブランドの小売をサポートする企業としては、これまでもb8taのような、いくつかのブランドを1つの店舗で紹介するといったサービスが存在した。このRaaSにはゴーストリテーラーも含めて後述のように大きく分けて3つに分類できる。タイプ1からタイプ3に向かうにつれ、ブランド側のカスタマイズニーズに応えられる。
ここでは、この3つのタイプのRaaSのうち、リテーラー自身のブランドが表に出てこないという意味で、タイプ2とタイプ3をゴーストリテーラーと定義する。
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