巨大市場「A-Beauty」年10%超の成長率、The Colorsでの提言【アフリカ市場の今 ①】
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アフリカ本土はもとより、欧米を中心に世界に数多くのアフリカ系消費者を持つ巨大市場「A-Beauty(アフリカンビューティ)」への注目が高まっている。仏パリで開催されたアフリカ系のビューティ産業を後押しし理解を深めるイベント「The Colors」でのセッションで示されたアフリカの現在地と展望についてレポートする。
マルチカルチャーの美容ビジネスを支援する機関「The Colors」
アフリカ大陸は、若年層の比率が高い人口構成や、中流階級・富裕層の購買力の高さなどから、14億人の化粧品市場の潜在的消費者(2050年までに約24億人)を抱えるといわれ、化粧品分野においても注目が高く、ロレアル、ユニリーバ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)をはじめ、インドのゴドレジ(Godrej)、中国のロングリッチ(Longrich)といったグローバル企業が積極的に投資を行っている。また、アフリカ各国ではスマートフォンの普及率も高い傾向にあり、消費者はSNSを通して化粧品に関する知識を深め、ロールモデルとなるアフロアメリカンのスターやセレブリティにならって、あるいはインフルエンサーの影響を受けながら、自分たちに合う製品を求めている。この消費者行動がビューティ業界において新しいニーズやビジネスを生み出す原動力となっている。
フランス企業の輸出を支援するビジネスフランスによると、化粧品の年間成長率の世界平均が4%であるのに対し、アフリカは10%以上の安定した成長を遂げており、2017年にはサハラ以南のアフリカにおける美容ビジネス規模は推定100億ユーロ(約1兆7,036億円)に達している。国によって差はあるものの、大陸の全地域で急成長を遂げている。多くの企業が進出の拠点とする南アフリカ共和国、そして、西アフリカのナイジェリアは最も大きな市場であり、フランス語圏ではカメルーンとコートジボワールが中央・西アフリカへの主要な玄関口と考えられている。
フランスでは、アフリカテック産業のエコシステムを支援するAfrobytesが、定期的にマルチカルチャーの美容イベント「The Colors」を開催しており、市場傾向や動向を伝えながら起業家と投資家などをつなげ、ビジネス機会の創出に貢献している。2024年は4月26日にパリ市内のアクセラレーション施設「RaiseLab」で開催され、アフリカ系の化粧品市場「A-Beauty」の現況と展望、アフリカ産の原料、投資状況などをテーマにしたセッションがおこなわれた。
黒人系歌手リアーナ氏が2017年に米国で創業した「フェンティ・ビューティ(Fenty Beauty)」が、アフリカ系の肌を意識した50シェードのファンデーションを発売して高い支持を得たことをきっかけに、化粧品における「インクルージョン」がグローバルで大きな注目を集めた。しかしながら、最近では大手企業もA-Beautyに注力しているものの、実際には、アフリカ系の消費者が一定数いる欧州や米国でも、アフリカ系の人々にぴったり合う製品がなかなか見つからず、ユーザーはいつもより良いものを求めて探しまわっているのが現状だ。
この状況から、The Colors共同創設者アウエア・モハメド(Haweya Mohamed)氏は、登壇したセッション「米国、アフリカ、欧州:A-Beauty市場、飛躍するセグメント(Amériques, Afrique et Europe : Le marché de l'A-Beauty, un segment en plein essor)」において、欧州におけるアフリカ系の化粧品市場を「彷徨(さまよい:Errance)」と表現した。
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