KINSが独自原料でBtoB事業を強化。マイクロバイオーム創薬を見据えた取組みも
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2018年に創業し、サプリメントのサブスクサービス「KINS BOX」からスタートした株式会社KINSは、創業以来の研究成果として、独自のポストバイオティクス原料「Bellp(ベルプ)」を開発した。消費者向け菌ケアブランド「KINS」に加え、原料の卸販売事業を強化し、「菌ケアを当たり前の世の中に」するミッションの実現を目指す。マイクロバイオーム創薬も視野に入れた同社の成長戦略と現在地について、株式会社KINS 代表取締役社長 下川穣氏に話を聞いた。
菌の取得、研究、臨床のサイクルを持つ独自のビジネスモデル
2018年に創業したKINSは、現在、菌ケアブランド「KINS」の製品をDtoCで販売する「コンシューマーヘルスケア事業」、菌バンクや創薬シーズの臨床研究を行う「メディカル事業(KINSラボ)」、東京に動物病院2院とシンガポールで皮膚科1院を運営する「クリニック事業」の3つの柱で事業を展開している。
「KINS」は、皮膚・腸内・口腔内などマイクロバイオームが関わる部位を対象として20以上のプロダクツを展開しており、累計販売数は90万個を突破。累計ユーザー数は13万3,000人で、20代〜60代まで幅広い年代の人が利用し、リピート率は9割に迫る勢いだという(2024年9月現在)。
「我々は、直接つながることができるKINSのユーザーとクリニックの患者へ提供しているサービスを通じて、健康な人と疾患がある人の常在菌のデータを収取しており、約2万検体のヒト皮膚常在菌を解析する独自の菌バンクプラットフォームをもっている。さらに、疾患・症状への効果が期待される皮膚および腸内の複数の独自菌を分離・研究するラボを有しており、それらを活用して自社クリニックで臨床研究を行う体制もある。これらのビジネスモデルは、競合他社と差別化できる強みといえる」と、株式会社KINS 代表取締役社長 下川穣氏は語る。
KINSラボで開発された独自原料「Bellp(ベルプ)」
現在KINSでは、化粧品・健康食品の独自原料や医薬品レベルの効能・作用が見込まれるマイクロバイオーム創薬の開発に力を入れている。その第一弾となる独自原料が、2024年8月に発表された、ヒト由来菌を扱う研究施設と共同開発した独自のプロバイオティクス由来保湿成分「Bellp(ベルプ)」だ。Bellpを構成するのは、下川氏の説明によれば、ビフィドバクテリウム/エンテロコッカス(デュランス/フェカリス/ファエシウム)/乳酸桿菌/乳酸球菌/ペディオコッカス/ダイズ種子発酵液、そして、乳酸桿菌/豆乳発酵液だという。
一般的に、皮膚常在菌のケアには、3つの成分アプローチがあると考えられている。1つめが、適正な量を取り入れたときに有用な効果をもたらす生きた微生物「プロバイオティクス」、2つめが、菌のエサとなって有益な常在菌の成長や活動を促す物質となる「プレバイオティクス」、そして3つめが、常在菌が皮脂や汗をエサとして分解したときの代謝物として産生される「ポストバイオティクス」で、Bellpはこれにあたる。
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