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100%植物成分原料への挑戦。日本でも新ブランドARTQ ORGANICSが誕生

◆ English version: New Japanese brand ARTQ ORGANICS offers 100% plant-based cosmetics
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世界的に、植物由来成分やオーガニック化粧品が大きなトレンドだ。クリーンビューティとも呼ばれるそのうねりは、欧州を中心に、米国のミレニアル世代の心もつかんでいる。英国版VOGUEでクリーンビューティの特集が組まれ、フランスでは、自分で天然原料を使った化粧品をDIYできる小型ガジェット開発中のスタートアップBeautyMixをセフォラや産学連携機関が支援する。欧州ではクリーンビューティは当たり前の意識になりつつあり、日本でも100%植物成分を実現したブランドARTQ ORGANICS(アロマティークオーガ二クス)が誕生している。

米国の調査会社、Persistence Maket Researchの発表によると、2028年までに世界のナチュラル・オーガニックのパーソナルケア製品市場は、295億ドル(約3兆3,000億円)に達するという。年平均成長率は、8.3%だ。2016年は約110億ドル(約1兆2,500億円)とされていることから、10年余りで3倍弱の成長をとげることが予想される。日本の自然派・オーガニック化粧品については、矢野経済研究所が2016年の市場規模を1,237億円(前年比5.3%増)としている。日本ではそもそも安全性の高い化粧品が多いせいか、消費者ニーズは世界と比較して小さいが、グローバルで考えるとオーガニック化粧品の需要は、無視できない大きさだといえる。

それを裏づける面白い調査結果もある。ドイツの調査会社Statistaでは、「ナチュラル・オーガニック」や「エコフレンドリー・エシカル」な化粧品の各国の消費者需要(2016年)を算出しているが、それによると、1位がインドネシア(53%)、2位がインド(51%)、3位が中国と中東(ともに42%)となっている。日本は調査対象となった20カ国中最下位の8%だ。欧州主要国、米国もおしなべて低いが、それは現状にある程度満足しているという見方もでき、ハラルもしくはそれに準ずる化粧品を必要としているムスリム圏、消費者の安全性を求める切実さが大きい中国などで大きな需要があるという事実を示していると考えられる。

オーガニック成分の比率を指標として表す国際基準も

石油などを原料とする合成成分を使ったコスメが誕生してから70~80年あまりたつ。安価で安定性が高いという恩恵を長い間受けてきたが、こういった近年のナチュラル・オーガニック志向から、消費者の間では“合成成分不使用”への意識が年々高まっていることは間違いない。2018年には、化粧品の中に含まれる自然、オーガニック成分の比率を指数として表す国際基準「ISO16128」も制定された。

とはいえ、合成成分を使わない化粧品といってもその代替に特に高いハードルとなるのが、防腐剤、界面活性剤、合成ポリマーの3つの成分といわれる。まずはその代替成分に関する最新動向を追ってみたい。

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米国で100%植物由来の防腐剤が誕生

スキンケア用品に使える100%植物由来の防腐剤は、大手メーカーですら開発に躊躇していたほど、実現へのハードルが高いといわれてきた。植物由来の防腐剤は、製品の色味の変化や沈殿を生じさせるなど、製品そのものへの影響が特に大きいからだ。周囲からも不可能だと言われ続けるなか、開発を成功させたのが米国の化粧品会社、California Babyだ。

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