オルビスのリアルとデジタルの融合は次のステージへ。OMOや新ビジネスへ挑む
◆ English version: Fusing the real world with digital: Orbis reaches new heights
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通販化粧品売上高3位のオルビスが、2018年からオルビスユーを中心にブランドの再構築を始めた。その中核に据えるのが、リアルとデジタルをつなぐORBISアプリだ。ブランド再構築にあたり、どのように社内を改革し、ユーザーとの接点をつくりだしていったのか。その指揮を執ったオルビス株式会社執行役員ICT・新ビジネス開発管掌 大川真樹氏に話を聞いた。
オルビスは、1987年にポーラの新規事業としてスタートした通信販売を主要チャネルとする化粧品事業で、業界初の100%オイルカットスキンケアを生み出し、バブルに沸く日本市場で通販事業は難しいともいわれるなかで着実に売上げを伸ばし、創業10年目に100億円の売上げを突破した。また、パッケージなどの豪華さを競い合うような時代において、早くから環境面に配慮した簡易包装を実施するなど、確固たる信念を貫く企業姿勢に共感する顧客を獲得していった。
インターネット販売の開始も業界内では早く、1999年にECサイトをオープンし、2001年には日経ネットビジネスの「ECグランプリ B部門賞」を受賞している。2000年にリアル店舗も立ち上げるなど、マルチチャネル販売で成長をしてきており、2018年の売上高は510億円である。
グラフ:決算説明資料より作成
2007年の方向転換、顧客との関係性を深め、再成長へ
創業から20年経った2007年には売上高497億円にまで成長。売上げ500億円突破のために打ち出した戦略は「新規顧客を増やすのではなく、一人ひとりの顧客との関係性を深めるという方針だった」とオルビス株式会社執行役員ICT・新ビジネス開発担当 大川真樹氏は話す。
「KPIは、LTV(Life Time Value、顧客の生涯価値)をそれまでよりも重点的にみるようにした。また、顧客がなぜオルビス商品を購入するのかの調査を実施した結果、手ごろな価格という側面が大きいことがわかり、価格だけでなく、オルビスの良さをしっかりと伝えることで、リピート購入してもらえるように工夫を重ねていった」(大川氏)。
オルビス株式会社 執行役員
ICT・新ビジネス開発管掌
大川真樹氏
その「オルビスの良さの訴求」はメディアや時代の特性にあわせて、多方面で行われている。たとえば、2000年代当時は商品を知ってもらうきっかけは女性誌が多かったことから、「ニキビ対策」などの特集が組まれた際にわかりやすい商品をメインに力を入れてきた結果、若年層向けのブランドとして認知されるようになっていった。
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