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Moneruなど注目のフードテック新興企業から生まれる美容やウエルネス関連製品

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美容企業がウエルネス領域への展開を目指すうえで重要なピースとなるフードテック領域において、さまざまなイノベーションが生まれている。今回は、化粧品原料やサービスという点で美容分野との親和性が高いフードテック新興企業3社を取り上げる。


国内外でのフードテックの盛り上がり

フードテック市場自体はアグリテックも含み、カバーする範囲が広い領域だ。経済産業省が公開している資料において、フードテックは「培養肉・代替肉・昆虫食・発酵食・陸上養殖・植物工場・調理ロボット・3Dフードプリンター」の分野とされる。農業就労者の減少や高齢化現象による食料自給率の低下、環境負荷の高い畜産分野で食肉に代わる植物由来代替タンパク質のニーズ拡大などによって、フードテック分野は今後もさらに拡大していくことが予想される。

株式会社矢野研究所のアグリテック・フードテック市場(スマート農業、植物工場、次世代型養殖技術、代替タンパク質の4市場を合計したもの)に関する調査によると、日本国内における2021年度のアグリテック・フードテック市場規模はメーカー出荷金額ベースで718億4,700万円で、2030年度はメーカー出荷金額ベースで2,112億7,700万円に伸長すると予測されている。農林水産省の調査では、世界のフードテック市場規模は、2020年には24兆円、2050年には279兆円となり、30年間で10倍以上成長すると見込まれており、サステナビリティ視点からも注視すべき領域だ。

今回は、次世代型素材である藻類のサプリ「Moneru(モネル)」、トマト栽培におけるスマート農業と健康・美容商品を展開する「Lycopure(リコピュア)」、AIを活用したパーソナルミールソリューション「NEWTRISH(ニュートリッシュ)」の3つのサービスを取り上げる。

Moneru(株式会社アルガルバイオ) 

求める効能をもつ藻類をスクリーニングし、食品・化粧品成分として活用

株式会社アルガルバイオは、「藻類の研究開発で人々と地球の未来に貢献する」がミッションの東京大学発スタートアップだ。河野重行東京大学名誉教授の20年以上の藻類バイオ研究成果をもとにした世界的にも稀有な藻類ライブラリーを活用し、「特定の藻類ができること」を起点とするのではなく、「市場や顧客が求めること」を起点に、それを叶える最適な藻類の選抜、培養条件の検討および育種を行う技術を開発し、顧客とその先にあるニーズに合ったマーケットイン型でソリューションを提供している。

藻類は近年、美容や健康、食料、エネルギーといった地球規模の課題解決を可能とする手段のひとつとして注目を集めている。自然界には約30万種の藻類が存在するといわれるが、産業利用されている藻類は、クロレラ、ユーグレナをはじめとしたわずか30種程度だという。藻類は種類ごとに増殖特性や含有成分が大きく異なることがわかっており、特定の培養条件下におくことによって、たとえば、大豆やえんどう豆を超えるたんぱく質生産性を示すものや、ゴマやアブラナなどの種子を超えるオイル生産性を示すもの、DHAやEPAなどの長鎖不飽和脂肪酸、アスタキサンチンやフコキサンチンといったカロテノイドなどの成分を作り出すことも近年の研究でわかってきた。

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