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美容度もテック度も高い人は美容機器を持たない? 9,176人の調査から見えたこと

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美容についての関心が高く、テクノロジーも積極的に親しむ。つまりBeautyTech度が高い人たちは、ビューティテックアプリの認知や使用も高く、他の人から美容アイテムやサービスに関する相談を多く受けるクチコミの発信源ともなっている。このBeautyTech度が高い人とはどんな人だろうか。BeautyTech.jp編集部のBeautyTech度が高い人について具体的に紹介しつつ、彼女たちの行動から、ビューティテックの広げ方の仮説を提示したい。

テクノロジーが生み出す新しい製品・サービスは、どんな人たちにどのくらい利用されているのか。

BeautyTech元年としてスタートした2018年、ビューティテックの利用実態を知るために、BeautyTech.jp編集部では、株式会社アイスタイルが持つ@cosmeのパネルを利用して、オンラインアンケートの形式で調査を実施・集計を行った。

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今回編集部は、ユーザーのビューティ度とテック度をそれぞれ数値化し、BeautyTech度(以下BT度)という新しい指標を作った。BT度は、ビューティ・テクノロジーそれぞれに対する姿勢を各7項目用意し、それぞれの項目にスコアを付与し、合計して算出。ビューティ度 Low(7~24点)、Mid(25~31点)、High(32~35点)、テック度 Low(7~15点)、Mid (16~25点)、High(26~35点、そのうちSuper High(32~35点))とし、この2つをかけ合わせて、BT度とした。

編集部ではSuper High(SH)をスーパーテックと呼ぶ

その結果、BT度が高い人は全体で約7%おり、うちスーパーテックと編集部で呼ぶテック度が最も高い人が2%いることが分かった。

この人たちは、ビューティテックアプリの認知や使用も高く、他の人からビューティ商品やサービスに関する相談を多く受けるクチコミの発信源ともなる人たちだということが明らかになった。

この人たちがどんな人なのか、具体的イメージを持ってもらえるように、今回、編集部スタッフに対して行ったBT度調査の結果から、BT度が高い人がどのような考え・行動を持ってビューティ商品やサービスを利用しているのかを紹介したい。

スーパーテックな女性は理系出身とは限らない

今回、編集部スタッフで調査を行ったのは5名。編集長矢野、副編集長公文、英語版副編集長十河、編集&ブースト担当小野、そして今回の調査分析を担当した秋山だ。(※編集部スタッフの調査は、BeautyTech度調査2018のサンプルには含まれない)

女性とテクノロジーの文脈では、よく理系出身かどうかを問う人がいるが、結果を見る限りあまり関係なさそうだ。編集部では上記の表の中で小野・秋山の2名が理系出身だが、公文・矢野・十河は理系出身ではない。しかし、全員がテクノロジーへの関心度が高いテック度Highのセグメントとなった。とくに公文・矢野は文系出身ではあるが、スーパーテックセグメントだ。

「知れば知るほど、自分の生活や仕事が便利になったり、効率化したりするので面白いから」「テクノロジーは、新しい発想とセットのことが多く、社会を変えるインパクトがあるところにもわくわくするから」と矢野が自身のテック好きに関して話しているが、「より便利になるのにテクノロジーを活用したい」「新しい視点に出会いたい」という思考がある人は、女性でもテック度が高くなるのではないかと編集部は見ている。

HSHから情報が伝搬し、消費行動につながっていく?

BeautyTech編集部は全員好奇心が強く、ビューティもテクノロジーも、そして生活全般においても新しいものに興味・関心を示すが、中でも、HSHである公文・秋山の2名は、いわゆる新しいもの好きだ。公文と秋山の違いは、公文は新しいものは調べる前から何でも使ってみたい派だが、秋山は、クチコミを含めた情報収集をしていいものかどうかを判断してから使ってみる派と、性格によって購買行動は変わってくる。矢野をはじめ編集部は秋山タイプが多いが、これは、今回調査パネルとなった人たちに共通している点でもある。

また、HSHセグメントの人は、商品・サービス選びについて友人や知人から相談を受けている率が高い。

編集部での情報伝搬を簡素化してみると、公文のようなHSHで、新しいものはとにかく挑戦してみたいイノベーター中のイノベーターが評価したものを、秋山のようなHSHでも情報収集をしっかりして内容を見極めてから使ってみるイノベーターの情報源となり、秋山のようなHSHが事実と使用感を含めた情報発信をしていくことで、矢野・小野・十河のようなアーリーアダプターたちが動いていく形となっている。

秋山のようなタイプは、トライアルは早いが、利用し続けるには、情報収集力があることからネガティブな情報も集まりやすいので、本当に自分の生活にインパクトが出ると本人が納得してからだ。このような情報も人から聞かれれば惜しみなく共有している。これは、HSHセグメントに共通しているのだが、自分の持つ美容やテクノロジーの知識がほかの人の商品・サービス選びに役立つのが嬉しいと感じているからだ。

編集部ですら、アプリの認知度・興味度は高いが利用度は低め

編集部では、HSHの公文・秋山はほとんどのアプリをインストールし経験している。HSHの典型だ。

公文は肌パシャ、ネイルブック、YouCam メイク、FiNCを利用中だが、秋山はすべてアンインストールし現在はどれも利用していない。ネイルブックは長い間利用していたが、3か月前にジェルネイルからセルフネイルのマニキュアに戻したので利用をやめた。そのほかのアプリを利用しなくなった理由は、とりあえず試してみたが、自分のニーズを満たし、ずっと使い続けたいと思うほどインターフェースを含めて、残したいアプリではなかったからだ。

なお、編集部では、秋山以外の全員が、現在もYouCam メイクを利用中だ。公文は、美容AR系のアプリを、髪型、次に買うコスメの色など、具体的な悩みがあり、購買を意識したときに使う。

矢野は美容院に行く前にヘアカラーを試してみてから色を決めるようにしているという。また、買い物に行く時間があまりないため、ECで買い物をすることが多い。もともと質感重視で、質感はクチコミをチェックしたり周囲に聞いて回った後、似合いそうな色をYouCam メイクなどのARアプリでチェックするため、失敗が少ないらしい。

秋山はインストールした後、冒険色などを試して遊んでみたものの、カウンターやドラッグストアで直接つけて試して、信頼できる美容部員さんに相談したりした上で、お店で購入したいと自分の購買行動が明確になった。また、店頭に行ったついでに気になる他の化粧品も見て帰りたいという自分のニーズを再認識し、今後あまり使用しないだろうと思い削除した。

編集部では、今回の調査で全般的に美容アプリの利用が低い理由について議論になったが、その背景には、いくつかの要因があると仮説を立てている。

ひとつは、利用したときのメリットが見えにくいことだ。公文や秋山のようなHSHユーザーは一度は興味を持つが、秋山のように情報収集をしてから行動に移すタイプは、公文のようなユーザーのアプリ使用動向も観察している。HSHユーザーの9割以上が事前情報収集を行う。自分で使いながら考えるケースもあるが、それはよほど興味がある場合だ。

全員が仕事上、アプリをダウンロードする機会は多いが、限られた時間の中で、アプリを使いメリットを享受するまでの余裕がない場合はそこまでの時間はかけにくい。どんな利用シーンでどんなメリットがあるのか。それを明確にイノベーターやアーリーアダプターに対して訴求できれば、新しいテクノロジーを利用したアプリ利用促進につながるともいえる。

もう1つの点は、VR/AR系のアプリでは、EC等での購入にまでつなげることを目指しているケースが多いが、自分で決めたいのか、人に相談しながら決めたいのか、購買の意思決定において、他人をどこまで参加させるかといった個人それぞれの志向も影響する。そこまで考慮して、サービスを設計しているかどうかも利用拡大のキーになるであろう。以前BeautyTech.jpで紹介したセフォラなどはこういった点を非常に意識してサービスを設計していると感じる。

編集部内でも、前述したようにYouCam メイクの利用の仕方はそれぞれ異なる。YouCam メイクに限らず美容アプリは、行動をパターン化し、それぞれのニーズに対して最低限のポイントを抑える必要はあるだろう。

美容機器の保有率はほぼゼロに近い

最後に、興味深い結果のひとつを紹介したい。編集部全員の美容度がそれなりに高いにも関わらず、秋山がリファカラットを持っているだけで、それ以外のメンバーはひとつも美容機器を保有していなかったことだ。秋山がリファカラットを購入したのは市場に出始めたころで、アーリーアダプターとして購入しており、最近購入している美容機器はない。

それを裏づけるように、今回の調査では、HSHでも美容機器を保有している数は、大半が0個か1個という結果になった。1つ保有している人の約57%がダイソンなどの高級ヘアドライヤーで、約25%がリファカラットだった。BT度が高い人は、総じて美容機器をあまり保有していないということになる。

編集部スタッフは、それぞれ、サロンなどでの美容機器は経験はしているという。しかし、保有までいたっていないのは、美容機器以外の美容法、運動や食事、サプリメントなどの優先順位が高いことも大きいだろう。テックに親しみ情報収集力も高いと思われるHSHの人たちは多かれ少なかれそういった傾向があるのではないかと推察できる。

この一連の考察からすれば、美容機器においては、BT度が高い人たちがこぞって保有したいと思えるものが世に出れば、彼女たちの発信力も手伝い、かなり幅広く女性たちの支持を得るはずだということになる。

美容業界のイノベーションを担う人たちの次の一手を考えるヒントになればと企画・実施したこのBeautyTech度調査は、@cosmeユーザーの皆様のご協力をいただき、集計・分析した結果と、それを踏まえて編集部内で起きた議論もまじえ、美容・デジタルへの興味・利用についていろいろなことが分かり、興味はつきない。

誰をターゲットに、どのようにテクノロジーを利用した新しい商品・サービスを普及させていくことで、キレイのイノベーションを起こすのか。ビューティだけでなく、テクノロジーにも関心の高い人たちの心をしっかりつかめるかどうかが、BeautyTechの出足をスピードアップさせるポイントになるだろう。

Text: 秋山ゆかり(Yukari Akiyama)
Top Image: Vladimir Sukhachev via shutterstock

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