印パーソナルケア大手Marico、D2Cヘアケアブランド「Studio X」などプレミアム製品拡充へ
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中間所得層が増加するとともに、政府主導でデジタルインフラの構築が進み巨大なEコマース市場が生まれつつあるインド。2015年と早い段階からデジタル戦略の強化に着手し、“デジタルファースト”なブランドを買収、自社ではメンズグルーミングD2Cブランド「Studio X」を立ち上げ、着実な成長を遂げているグローバル消費財大手Marico(マリコ)をひも解く。
インド人の3人に1人が使用する消費財グローバルブランド大手Marico(マリコ)
ビューティ&パーソナルケアから食品まで18ブランドを傘下に持つインドの大手消費財企業Marico Limited(以下、Marico)。2022-23年度の年次報告書によれば、インドとバングラデシュ、マレーシア、ベトナム、エジプトや中東、南アフリカなどのマーケットを中心に、グループ全体で976億ルピー(約11億7,000万ドル・約1,727億円)の売上高を記録している。これにもとづき、インドのパーソナルケア市場においてMaricoを、ヒンドゥスタン・ユニリーバ、P&Gに続く3位に位置づけるランキングもある。
また、MaricoはCSRにも重きをおくとともに、事業全体において経済的にも環境的にも社会的持続可能性を追求をするとしている。インドの大手ビジネス誌「BW BUSINESSWORLD」と企業のサステナビリティを向上させる戦略支援を行う営利団体Sustain Labs Parisが選出する「インドで最も持続可能な企業ランキング」では、A+ランクを獲得し3位となった。
Maricoの主要な製品カテゴリーは、ヘアケア、スキンケア、メンズグルーミングなどのパーソナルケアに加え、食用油、栄養補助食品などの食品カテゴリーがある。同社は「Be More Everyday(毎日をもっと大切に)」をパーパスに掲げ、人々の日々の生活と幸福の向上を支援するとしており、実際にインド人の3人に1人が週2回以上Maricoの製品を使用しているとされる。
1988年創業の同社は「Parachute(パラシュート)」ブランドのココナッツオイルで広く知られているが、プロダクツの多様化を積極的に推進し、ヘアケアなどのパーソナルケア製品やスナック食品の提供を開始するに伴い、ターゲットもより幅広い年齢層へと拡大した。コアプロダクトを守りながら、製品ポートフォリオの幅とボリュームを増やし続けることが同社の成長戦略であり、近年では、プレミアムパーソナルケア、メンズグルーミングや育毛剤が成長を加速させる新たなカテゴリーとなっている。
自社ブランドとの相乗効果やデジタルに強いブランドを買収し成長
Maricoは成長戦略の一環として、パーソナルケアや食品の分野で自社ブランドとの相乗効果が期待できるブランドやD2Cへの投資・買収を進め、8〜10程度のデジタルに強いブランドを束ねていくことを目指して名づけられた「String of Pearls 戦略」を推進してポートフォリオの拡充を図っている。
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