ポーラ・オルビスHDの革新は、MIRC研究員が世界中をぶらぶらすることから始まる
◆ English version: Pola Orbis’ wandering wonders are the key to open the future
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美容業界に限らず、さまざまな企業が新しい価値観、市場創出という観点でイノベーションをどう創出するかに心をくだいている。その方法は他分野の企業と提携する、スタートアップに投資したりアクセラレーターとして支援するなどさまざまだが、ポーラ・オルビスホールディングスがとったのは、社内にイノベーションをミッションとした部署、Multiple Intelligence Research Centerの立ち上げだ。通称MIRC(ミルク)が発足して約1年がたつ。研究員のミッションである「ぶらぶら」の結果、どんな成果があったのだろうか。
2018年1月、株式会社ポーラ・オルビスHDにMultiple Intelligence Research Center、通称MIRC(ミルク)が発足した。それまではポーラ化成工業にあった基礎研究、開発研究の基盤を、ホールディングス全体の研究開発をみていく部署として位置づけたものだ。
MIRCの役割は、同社のプレスリリースによると「グループ視点での研究戦略および知財戦略を策定し、研究成果のグループ最適配分」だ。そのほかに、ポーラ・オルビスHDのイノベーションの種をみつけることも任務に入っている。それが、「人々の美の探求に相応する次世代ニーズの探索」「最先端研究機関との連携」というミッションだ。
とはいっても、「イノベーションをおこす」の合唱だけでは、もちろんイノベーションを生むことはできない。そこでMIRCは組織としてのイノベーションを定義している。その定義を策定し、社内外にその重要性を説いてきたのが、ポーラ・オルビスホールディングス グループ研究・薬事センター担当 執行役員 マルチプルインテリジェンスリサーチセンター所長 末延則子氏だ。
末延氏は、イノベーションを「新結合」と定義した。新結合とは経済学者シュンペーターが用いた言葉であり、著書『経済発展の理論』の中で、技術革新だけでなく組織のあり方まで踏み込んだ新結合を説明する5項目が知られている。
「ポーラ・オルビスHDはもともと肌研究が得意な会社で、肌のビッグデータも保有している。時代や社会が移ろいゆく中で、今までだったら見過ごされていたような機微や感情の変化を、お客様が心を開いてコミュニケーションしてくださることで、我々も新たに感じるようになってきた。こういったことをきちんと科学し、新しい何かを生み出すためには肌研究と新しい分野を結合させることが必要で、それがMIRCでのイノベーションだ。その結果として人生を彩り、社会を変えるきっかけを作っていきたいと思っている」(末延氏)。
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