デジタル施策起点から組織のボトルネックを発見、仕組み化でDXを推進するペンシルの試み
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デジタル施策で目先のKPIを達成するには、オムニチャネルでのデータ活用やその先のLTV視点など、中長期で取り組むべき課題が裏に重くのしかかっている企業は多い。売上があがる仕組みをつくるためのデジタル施策から入り、それを阻む「ボトルネック」を探し当てると、本来やるべきDXの全体像が見えてくる。美容企業のみならず、多くの企業と併走してきた株式会社ペンシル 代表取締役社長CEO 倉橋美佳氏に、そのノウハウの体系化について話を聞いた。
DX推進の大きな課題、社内における組織や人間関係をどう解きほぐすか
1995年にWeb制作会社としてスタートした株式会社ペンシルは、現在、企業のデジタル戦略を成功に導く研究開発型のWebコンサルティング会社としてデジタルやオムニチャネルでの売上増から、DX経営までをコンサルティングしている。同社 CEOの倉橋氏はペンシル入社後、2016年に代表取締役COO、そして2021年代表取締役社長CEOに就任した。
倉橋氏によると、DXが成功する企業の特徴の1つとして、「長期的な目線での戦略設計を行なっていること」があるという。顧客と長くつながり、いかにLTVを高めるかが大事なのはいうまでもない。目の前の数字を追いかけるデジタル施策支援を行いつつ、未来に向けた種まきも両輪で進め、そのプロセスでのデータ活用に伴走しているうちに、本来のデジタル施策支援で大きな成果が出せるようになったとする。
「長期目線で顧客体験を設計していくことについて、理解してくださる企業が増えてきた」と倉橋氏が言うように、逆にいえばそれがなければ、デジタル施策、デジタルにおける顧客獲得コストも高騰するなかで、目先の効果も出にくくなっているということだ。
「デジタル施策支援において、クライアント企業のKPIにもとづき、それを本当に成功させたいと思うと、いくつもの課題=ボトルネックに当たることが多い。そのうちもっとも大きいのが社内の問題だ。組織構造上の課題、人間関係の課題、経営陣の課題など、そこから解決しないことには思うような結果は得にくいというのを実感してきた」(倉橋氏)
デジタルマーケティングの部署だけでなく、広く部門を横断した取り組みがスムーズに進められない場合、倉橋氏の言葉にあるように、それが組織構造なのか、人間関係なのか、経営陣の課題なのかを分解し見極める必要がでてくる。そこでペンシルではこれまで培ってきたチームビルディングの知見と組織サーベイなどを活用して、組織の状態を把握し、ボトルネックをみつけていく作業を行う。それはデジタル支援企業という範囲を超えて、組織改革にも踏み込んでいくことでもある。
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