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中国フェイスマスク市場で存在感を示す専門ブランド「膜法世家」、新興の「PMPM」

◆ English version: Specialty brand “Mask Family” gets ahead in China’s red hot facemask market with its eye-catching strategy
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中国の化粧品市場では諸外国と比べてスキンケア用品の占める比率が高い。なかでもフェイスマスクが占めるウェイトは約2割と大きく、国内外の数多くのブランドが存在する。中国のフェイスマスク市場を概観するとともに、中国でフェイスマスク専門ブランドとしての地位を築いている「Mask Family(膜法世家)」の製品や学生に注力したマーケティング、新興の「PMPM」についても紹介する。

中国のフェイスマスク市場における主力ユーザーはZ世代

中国の調査会社前瞻産業研究院によると、中国のフェイスマスク市場の誕生は、1998年のSK-Ⅱ進出がきっかけだ。以降、OLAYが参入した2002年頃から市場が拡大。2003年に中国のフェイスマスクブランド「MG(美即)」がローンチされると、次々とフェイスマスクを扱う中国ブランドが登場した。

2000年代前半当時は、中国人が化粧品に費やす額は中国全体で年間200億元(約3,400億円)前後とそれほど大きくなかった。もともと低価格な中国ブランドを、シート1枚から安価に購入できることからフェイスマスクが一気に広まったのではないかと思われる。中国では今でも地方などでは日常的にメイクをしない女性が少なくないが、一方でスキンケアは毎日欠かさないという人は多い。手軽に使用できるフェイスマスクはこうした層にも浸透してきた。

中国メディア第一財経とアリババグループの共同調査機関CBNDataによると、MGは2012年にはフェイスマスク市場で26.4%ものシェアを獲得していた。ところが2013年にロレアルグループが買収し、完全子会社になるとトップの座から滑り落ちる。ちょうど国内外のブランドが多くこのカテゴリーに進出してきた時期と重なったというのもあるだろう。

加えて2014年頃からEC市場が急拡大すると、老舗ブランド「PECHOIN(百雀羚)」やJALA(伽藍集団)傘下の「CHANDO(自然堂)」といった大手ブランドもフェイスマスク市場に参入。さらには日本や韓国、台湾のブランドも進出し、群雄割拠となった。それだけフェイスマスク市場のポテンシャルが大きかったということだ。

前瞻産業研究院によると、11月11日を中心に中国のECで開催される一大セールイベント「ダブルイレブン(双11)」で、2020年においてスキンケア用品のなかで最も売れた分野はフェイスマスクで、3,704万個もの販売を記録。同年のフェイスマスクの市場規模は前年比10.3%増の321億元(約5,457億円)まで成長した。パンデミックの影響による自粛生活でセルフケア需要が上がったことも要因のひとつだろう。

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