見出し画像

スマホのスキャンでバーチャル店舗を制作、MUJIの銀座店も再現されたKDDI「αU place」

◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

KDDIが2023年10月から提供を開始したバーチャル店舗サービス「αU place(アルファユープレイス)」。実店舗をバーチャル空間にそのまま再現し、空間内を歩き回って自由に商品を見たり、ECサイトに移動して購入したりすることができる。従来と大きく異なるのは、店舗のスタッフがスマホで店舗内をスキャンすることで、実店舗を容易にバーチャル店舗として再現できる点だ。手軽さが魅力の新しいスタイルのバーチャル店舗のメリットと可能性について、KDDI株式会社 XR推進部 αU placeチーム 藤城大樹氏に聞いた。

実店舗をiPhoneでスキャンして仮想空間に再現

「αU place」は、KDDIが2023年から取り組むメタバース・Web3サービスプラットフォーム「αU(アルファユー)」の1サービスとして展開されている。

そのルーツとなっているのが、2021年に行われたバーチャル店舗の実証実験「デジタルツイン渋谷」だ。このときは、リアルな店舗の空間でスマホをかざすとバーチャル店舗側にいるアバターが表示されるなど、やや複雑な仕組みを持つものだった。αU placeは、仮想店舗をより簡単に実現するサービスとして、バーチャル店舗の制作・運用にフォーカスした形でリリースされた。

バーチャル店舗の制作は、店舗向けアプリ「αU place for BIZ」から実店舗をスキャンすることで行える。LiDARスキャナが搭載されたiPhone(iPhone 12 Pro /12 Pro Max以降のモデル)が必要になるものの、専門的な知識や特別な技術は必要ない。動画を撮るような感覚で店内にスマホをかざしてスキャンを行い、アプリ上からそのデータをアップロードすれば、200平方メートルほどの店舗なら2週間程度で仮想店舗空間が完成する。

iPhoneのカメラを使って簡単に店舗のスキャンが行える

ユーザーは、「αU place」アプリからバーチャル店舗に入り、店内を自由に移動しながら商品を見ることができる。購入可能な商品には目印として白い丸が表示され、タップすると商品情報が表示される。実際に購入する場合は、そこからECサイトに移動する。購入可能な商品の選定やリンク先の指定は店舗向けの管理用Webサイトから自由に設定できるので、自店舗の状況にあわせて柔軟に決めることが可能だ。

白い丸が表示されている部分をタップすると商品情報が表示され、そこからECサイトに遷移可能
(著者撮影)

ゲームやエンタメの要素が強いメタバース空間の場合、若年層のユーザーが多く集まる傾向にあるが、αU placeを訪れるユーザーは30代〜40代が多いという。「経済的に比較的余裕がある世代が利用していることや、先進的な取り組みとして注目されたことで、技術的な面に関心を持った層にリーチしていることが要因」と藤城氏は分析する。

ここから先は

3,576字 / 10画像

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

BeautyTech.jpは最新1カ月の記事は無料、それ以前の記事は全文閲覧が有料です。「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

「バックナンバー読み放題プラン」の法人・企業様向けプランです。社内限定で転用・共有していただけます。