香港発「Botanic Pretti5」「RARE SkinFuel」「TiN5」3つのクリーンビューティブランドの意外性と共通点
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トラベルリテールとしてユニークな立ち位置だった香港の化粧品市場では、これまでは欧米、日本や韓国を含む外資ブランドが席巻してきたが、パンデミックを経て「香港発」の新興化粧品ブランドが続々と誕生している。特に注目したいのが、創業者がそれぞれ自身の肌悩みを起点に立ち上げた高価格帯のプレミアムクリーンビューティブランドだ。
特殊な市場性と、潜在力を秘める「香港発」新興クリーンビューティブランドの台頭
日本貿易振興機構(JETRO)のレポートによると、2022年の香港の化粧品市場規模は前年比4.8%増の173億香港ドル(約3,501億円)だった。一見すると新型コロナウイルス感染症による販売低迷から回復しているようだが、これは2019年の額の68%に過ぎず、コロナ前の水準にはほど遠い。
その理由は、香港の特殊な市場性にある。香港は人口が約750万人(2023年時点)ながら、中国本土を中心とする観光客向けのトラベルリテール需要が高かった。マスク義務化の解除と国境往来が再開された2023年は大きく経済回復したかのようにみえるが、実は経済特区である中国本土の海南省に続々とオープンした免税店との競争により、コロナ以前の水準に戻るのは難しい可能性があると同レポートは指摘する。
こうした特殊な市場であるがゆえに、外資ブランドが多く、これまで香港「発」のブランドは少なかった。老舗化粧品ブランドとしては1898年創業のKwong Sang Hong(廣生堂)の「Two Girls(雙妹嚜)」があるが、香港発で国際的に知名度を高めたブランドはほぼ見当たらない。例外は、「Naturals by Watsons」など、世界中で展開する香港のドラッグストアチェーン「ワトソンズ(屈臣氏)」のPB(プライベートブランド)だろう。同社の公式サイトによると、ワトソンズは中国本土を中心に東南アジアや中東、欧州など世界で1万6,400店舗以上を展開し(2022年)、PBも世界中で販売している。
創業者自身が肌悩みを持ち、高価格帯、グローバル展開が3ブランドの共通点
だが、そんな香港化粧品市場に変化が起きつつある。コロナ禍をきっかけに健康への関心が強まり、また自宅で過ごす時間が増えネットでの情報検索が進んだことで、スキンケア成分に関しても人々が知識を蓄えるようになった。その結果、自然由来で安全性が高いスキンケア製品へのニーズ、つまりクリーンビューティの人気が香港の女性の間で高まっているのだ。
こうした状況を受け、香港では近年、スキンケアブランドが次々に誕生している。なかでも注目なのが、高価格帯のプレミアムクリーンビューティブランドだ。いずれも、創業者の肌悩みを起点に開発をスタートし、中〜高価格帯で展開するという共通点があり、米国発で現在資生堂傘下のドランクエレファントの開発過程を彷彿とさせる点が興味深い。
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