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OCEAN TOKYOの付加価値戦略はサロン業界「差別化」のヒントに満ちている

◆English version: Hairdressing plus life therapy — Japan’s new concept men’s hair salons
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創業から5年で全国に6店舗、従業員100人を抱えるグループサロンへと成長している「OCEAN TOKYO」は「美容院=髪を切ってもらう場所」から「美容師に会える場所」として独特の付加価値戦略をとり、YouTubeを中心にしたデジタルマーケティングでその価値を広く顧客に伝えることに成功した。OCEAN TOKYO創業者で代表取締役の中村トメ吉氏と、デジタルマーケティングを担当し急成長の一翼を担う共同代表の三科光平氏に話を聞いた。

厚生労働省が2017年に発表した全国の美容院数は、24万3,000店舗。有名な話だが、この美容院の店舗数は全国のコンビニよりも4倍多い。オーバーストア化が続き、集客、人材確保ともに競争激化が進む中、OCEAN TOKYOがここまで成長した最初のトリガーは、創業者の中村氏がこだわったコンセプト、「生き様や経験を売る」にある。

「若手の頃、お客様との“あの”距離感がすごく嫌だった。美容師は職人なので、基本『人』対『髪』になる。そのため、なかなかお客様としっかり向き合えず、『今日、天気いいですね』といった面白みのない会話になることが多かった。そこで、『人』対『人』としてお客様に向き合い、お客様それぞれの『心のデザイン』ができたら、と思うようになった」。

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OCEAN TOKYO代表の中村トメ吉氏

美容師に会うためにサロンへ行くという付加価値

そこで行き着いたのが、ひとりひとりと向き合い「話に耳を傾ける」ことだ。当然技術力の高さがあっての会話という付加価値だ。

「技術の高さはプロとしては当然の条件。日本一の技術だと胸張れないと目の前のお客様に失礼だ。客層を男性にフォーカスしたのも、自分が男として生きてきた経験を通じて、自分の思いを伝えられたらと思ったから」。

こうして既存の「美容院=髪を切るための場所」という概念にとらわれず、「話を親身に聞いてもらえる場所」という付加価値を付けたことで、カット料金1万2,000円(※代表の中村氏がカットした場合)と高価格帯ながら若い世代の顧客を取り込むことに成功。社会人や大学生層はもちろん、中高生も進路や恋愛の相談にやって来るという。

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