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豊富な品揃えと顧客の自由度。三越伊勢丹 meecoと@cosme shopping の挑戦

◆ English version: Show Offline and Sell Online
 — Part 2: meeco and @cosme shopping

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前回の記事では、阪急阪神百貨店グループが運営する化粧品ECサイト「HANKYU BEAUTY ONLINE」と、データと人の力、またコンテンツ力できめ細かい購買体験を実現する「ストライプデパートメント」を紹介した。今回は2019年2月にオープンしたばかりの三越伊勢丹グループの化粧品オンラインストア「meeco」と、2002年にスタートした「@cosme shopping」が考える「品揃えの豊かさ」「顧客の自由な買い方」にフォーカスした取り組みを紹介したい。

百貨店最大手が仕掛ける化粧品オンラインストア「meeco」

株式会社三越伊勢丹では、2019年2月に化粧品オンラインストア「meeco」をオープンした。日本でトップの売上高を誇る大手百貨店が新たな動きを見せただけに、多くのメディアが注目。なかには、「meecoは化粧品のZOZOを目指す」という趣旨の見出しをつけた記事も登場したが、実際のところはニュアンスが少々異なる感がする。自由な買い方ができ、かつ洗練されたECサイトが三越伊勢丹の狙いなのだ。

同社執行役員MD統括部化粧品MD統括部長 小宮仁奈子氏は、「化粧品の売上は三越伊勢丹グループ全体の約1割を占めており、コスメ専門ECサイトのオープンは事業強化を目的としたもの」と説明する。また「全社的な取り組みであり、会社側の化粧品EC事業に対する期待が非常に高い」と状況を明かす。

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出典: meeco 公式サイト

「これまでにも『MIオンラインストア』『イセタンミラー』などいくつかのECサイトや化粧品関連のサイトがあり、一部の化粧品を購入することができた。ただ大きな課題が物流にあり、店頭在庫をピックアップして届けていたことから、以前のオンライン購入では顧客の手元に届くまで4~5日、日付指定の場合は10日ほどかかっていた。そこでmeecoのリリースに先立ち、専用の倉庫を設けるところから始め、現在では、10時59分までの注文なら当日発送し、近隣であれば早くて翌日に届けられるようになり、すぐに手もとに欲しいという顧客ニーズをかなえたかたちだ」(小宮氏)

ECサイトを利用する顧客にとって、「迅速な配送」は大きな価値のひとつだ。アマゾンなど大手ECサイトが高い競争力を誇る一因に、その物流力があるが、meecoも物流体制の整備をまず固めたという。また、物流の一本化だけでなく、利便性やブランド、SEO対策などさまざまな理由から、サイト自体も一本化した。現時点で、三越伊勢丹グループにおける化粧品が買えるECサイトはmeecoのみとなっている。

「化粧品オンラインストアを強化することで、顧客や店舗にもさまざまなメリットが生まれると思っている。たとえば、カレンダー機能などを取り入れ、新発売の商品を予約購入できるようにしていく。新商品の発売時にはいつも店頭に行列ができるが、ECサイトとの連動があれば、お客様にそうした負担をかけず、店舗が割くリソースもその分少なくなり、こうした課題が解消できる。また、今までのECサイトの課題を整理して、店頭在庫のピックアップ業務がなくなったことで、現場の美容部員やスタッフが接客に集中できるようになった点も非常に大きい」(小宮氏)

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