NFT化されたデジタルフレグランス登場、美容領域のNFTとブロックチェーン活用
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ブロックチェーン技術のNFTが昨今話題にになっている。デジタルアートの高額取引を可能にし、オンライン上にのみ存在するバーチャルな商品の販売にも利用されるNFTとはどのような仕組みなのか。現在のプレイヤーの活動の紹介にあわせ、ビューティ領域での活用について探る。
美容業界初のNFT参入はドイツ発「デジタルフレグランス」
2021年2月頃から、ブロックチェーン技術のひとつであるNFT(非代替性トークン)の高額取引が話題になり始めた。NFT化されたデジタルアート作品がオークションで6,900万ドル(約75億円)の値を付け、Twitter創業者ジャック・ドーシー氏が2006年に初めてポストしたツイートもNFTとなり、約300万ドル(3億3,000万円)で落札された。最近デジタルでのみ着用可能なスニーカーを発売したGUCCIなど、ラグジュアリーブランドもNFTを使った参入を検討しているとされる。注目が集まるNFTとはどんなもので、美容業界ではどのように活用しうるのかを考察する。
美容業界でNFT活用の先陣を切ったのは、香水「Cyber Eau De Parfum」をNFT化し、10点限定で発売したドイツのLOOK LABSだ。ここでの「NFT化」とは、Cyber Eau De Parfumを表現したデジタルアート作品を作成し、その所有権を証明するデジタルデータ(NFT)を作成したことを意味する。アート作品自体は、カナダのアーティスト ショーン・カルソ(Sean Caruso)氏が制作した、近赤外線分光法による香水の分析結果を取り入れたカラフルなMP4動画ファイルだ。
このNFTで手に入るのはあくまでMP4ファイルの所有権であって、物理的な香水は付属する「おまけ」のような形で入手できる。LOOK LABSによれば、リアルな香水はユニセックスなフレグランスとして調合され、エネルギッシュなトップノートとお香を思わせるミドルノートが、禅をイメージしたウッディでアンバーなオリエンタルな香りに変化するという。また、そのボトルにはプリンテッドエレクトロニクスが仕込まれており、電源ボタンを押すと赤く点灯するという、香水としては世界初のイルミネーションラベルを実現。環境保全の意識を高めるために、地球とリサイクルのシンボルも描かれた。
仮にNFTが転売された場合、その後の購入者がリアルな香水を手に入れるためには追加料金を払う必要がある。さらにMP4ファイル自体は、NFTマーケットプレイスのRaribleから誰でもダウンロードできるので、NFT購入者が独占できるわけでもない。つまり、NFT購入者が得られるのは所有権の裏付けだけなのだが、それでもRarible上では最高1,500ドル(約16.5万円)以上のビッド(入札)が付いている。
ファッションや食品分野では話題づくりのNFT活用事例が次々登場
2021年5月10日現在の時点では、美容企業がNFTを採用する事例はほかに確認できていない。だがデジタルに重点を置くプレイヤーの間では、すでに活発な動きがみられる。
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