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「b8ta」で花王を中心に5社連動で美容アイテム体験イベント「Beyond Beauty」を開催

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Retail as a Service(RaaS)の先駆者として新しいリテールの形を追求する体験型ストア「b8ta(ベータ)」。2023年12月から2024年1月にかけて「b8ta Tokyo – Yurakucho」では、花王を中心にポーラ&ANA、ロート製薬、MTGが連動して、ニッチな領域で人々の悩み・課題にアプローチする美容アイテムを体験できるイベント「Beyond Beauty」が開催された。その狙いと、b8taの仕組みについてレポートする。


体験型ストア「b8ta」のユニークな店舗設計

「b8ta」は、2015年に米サンフランシスコ近郊のパロアルトで1号店をオープンした(2024年1月現在、米国のb8taは全店舗閉店)。メーカーと生活者双方のニーズをかなえるべく、販売ではなく、商品の実物を見て触って体験してもらうことを主目的にしたRaaSとしてショールーム型の店舗を開設している。現在、国内には「b8ta Tokyo – Yurakucho」「b8ta Tokyo – Shibuya」「b8ta Koshigaya Laketown」「b8ta Osaka - Hankyu Umeda」の4店舗を展開中だ。

b8ta Tokyo – Yurakucho
出典:b8ta公式サイト

店舗のコンセプトは、「世界中のイノベーティブな製品を発見、体験、購入できる場」で、店内はいくつかの区画に分けられ、美容アイテムのほか、家電、寝具、PCガジェット、ロボットペットまで、さまざまなジャンルの商品がディスプレイされている。オンラインのみで販売されている商品も展示され、実物の商品を見て触れられるのはb8taでだけという商品も少なくない。

60×40cm単位の陳列スペースが1ユニットで、メーカーやブランドは必要な広さのユニット数を申し込み、通常は3カ月以上の出品期間を設定し月額で費用を支払うことで、b8taが収集した店頭データのフィードバックや、同社が「b8taテスター」と呼ぶ店舗スタッフによる接客サービスが利用できる。出展企業のニーズに応じて、特別企画のイベントを行ったり、展示期間の調整や専用ブースを選ぶこともでき、ブースの使い方、什器の置き方や商品レイアウトなどは、出展企業ごとに変えられる。また、出品商品は、店頭での販売も可能で、店頭売上の100%がメーカー側にバックされる。出品期間中、必要に応じてサンプリングなどの追加施策も可能だ。

ベータ・ジャパン株式会社 カスタマーサクセスマネージャーの嶌村直嗣氏は、「商品の魅力が最も伝わりやすい展示を心がけ、出品ブランドのリクエストも聞きながらデザインしている。商品コンセプトやブランドイメージに合わせて、特注什器や、小物の色や質感のカスタマイズにも応じている」と話す。

また嶌村氏は、「来店されたお客様は、すべての商品を自由に触って使用感を確認できる。たとえば、出品されたシェーバーを使いお客様が鏡の前で実際に髭を剃れるコーナーも用意できる。大型量販店でも取り扱われる商品など、実物は他店舗でも見られるが、その場で髭剃りのお試し体験まで用意しているのは我々だけではないか。こうしたケースでは替刃はその都度交換するようにメーカーから供給を受け、安全面や衛生面にも気を配っている」と説明。ショールーミング機能により、ブランドがここでしかできないリアルな体験を消費者に提供することを可能にしているとする。

b8ta Tokyo – Yurakucho
編集部撮影

b8ta店舗の最大の特徴は、メーカーが自分たちで人員や場所を用意する必要がなく簡単に実店舗に商品を出品し、顧客の生の声や行動データをダイレクトに吸い上げることができる点にある。販売自体が主目的ではなく体験の場としての活用がメインで、たとえばニッチな商品を陳列して反応をみるのにも適している。国内ブランドの新製品にとどまらず、海外ブランドが日本進出をする際のテストマーケティングの場として利用されることも多いという。

店頭で商品パッケージ2種類を並べてABテストを実施し、反応がよかった方を採用するなど、来店者のフィードバックを商品パッケージに活かす企業もあれば、新商品のテストマーケティングに活用し、もし来店者からのネガティブな意見が多ければ、新商品の発売を見送る企業もあるという。

データの取得は定性・定量の2種類で行う。定量データは、店内に多数設置されたAIカメラを活用。集客人数だけにとどまらず、店舗内での顧客の動きを捉えることで「どの区画に何名が何分滞在したのか」「どこからどこに顧客が移動しているのか」といった行動情報も得られる。

定性データは、店舗スタッフの「人による接客」を通して収集する。性別や年代情報、来店目的、商品についての質問や反応など、さまざまな角度からヒアリングを行い、これらをメーカー側にフィードバックすることで、商品開発やマーケティングに活かせる。嶌村氏は、販売を担当するスタッフ全員が出品商品すべてについての知識を身につけており、そのトレーニングにはとくに力を入れていると明かす。出品企業から事前に商品の仕様書など必要な資料を受け取り勉強会を設けるほか、ブランド側から講師が派遣されることもあるという。

ベータ・ジャパン株式会社 カスタマーサクセスマネージャー
嶌村直嗣(しまむら なおつぐ)氏

プロフィール/2020年5月、日本上陸のタイミングでb8ta Japanに参画。店舗の立ち上げや運営を経て、2022年1月よりカスタマーサクセスチームへ加入。b8ta出品企業のオンボーディングから出品中のデータ分析 / マーケティング活動支援を累計150社以上に提供

「Beyond Beauty」には、大手ブランドの知見と技術から生まれたユニークな視点の美容アイテムが集合

b8ta Tokyo – Yurakuchoで、2023年12月8日から2024年1月14日まで開催されたイベント「Beyond Beauty」は、花王株式会社発のオープンイノベーション・プラットフォーム組織「ファンテックLab&Biz」からの依頼をもとに立ち上がった企画だ。

b8ta Tokyo – Yurakucho
編集部撮影

「近年大手美容メーカーでは、個々の深い悩みや、少数だが人々が不便に感じている課題を解決するための商品や新規サービス開発に力を入れていることが多い。こうして生まれた商品のための企画イベントを行いたいと、花王・ファンテックLab&Bizの担当者からお声がけいただいたことから『Beyond Beauty』はスタートした」(嶌村氏)

イベントコンセプトは「大手企業の新規事業部・開発チームが叡智を集結させ完成させた自慢の最先端美容商品を手軽に体験できる」で、花王、ポーラ&ANA、ロート製薬、MTGの5社4商品が出品された。

花王・ファンテックLab&Biz「SPOT JELLY (スポッ!とジェリー) へそごまパック」

SPOT JELLYへそごまパック

SPOT JELLYへそごまパック」は、へそにこびりついた垢やニオイ汚れをゼリーで固めてとることができる商品だ。へそにシートを当て、ゼリー状の成分を流し込んだ後にシートを剥がすだけで汚れがきれいに取れる。少数派の不便に焦点を当て満足度を高める狙いの花王「N=1(エヌワン)起点のサービス開発」の第1弾として、2023年6月12日に発売された。

株式会社ポーラ&ANAホールディングス株式会社「COSMOLOGY(コスモロジー)」

COSMOLOGY

ポーラとANAが共同開発した「COSMOLOGY」は、宇宙や地球の過酷な環境下でも使用できるスキンケアという発想で生み出された商品で、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に採択され、2025年には実際に宇宙船に搭載されることが決定している。スキンケアを2ステップに凝縮し、男女問わずアウトドア環境での手軽な利用も期待される。

ロート製薬株式会社「SKIO(スキオ)」

SKIO

SKIO」は、忙しく時間が足りない現代を生きる女性を主なターゲットとし、ロート製薬の皮膚科学研究から生まれた浸透技術を用いて、最小限のアイテム数で効率的かつ効果的に成分を肌に届けることをうたうスキンケアブランド。すみずみまで無駄のないスキンケアにこだわり、配送パッケージや容器には環境配慮が施されている。

株式会社MTG「MEGLY(メグリー)」

MEGLY

高濃度炭酸入り化粧水ミスト「MEGLY」は、MTGの独自技術により、高濃度炭酸と美容液成分を毛穴の約15分の1サイズの超微細ミストにして角層最深部に届けるもので、スプレーデバイス+化粧水+炭酸ガスの3つを合わせて使用する。サブスクリプションとして毎月炭酸ガスと化粧水の詰め替えパックが配送される。

Beyond Beautyのブース内にはこれらの4商品が手に取れる形で置かれ、自由に試すことができる。来店客は気になる商品があれば、商品横にあるタブレットで価格や成分の詳細を確認でき、ECサイトのQRコードを読み取ることで、その場でオンライン購入も可能だ。

来店客の反応は商品ごとにさまざまだったと嶌村氏は振り返る。

「SKIOはブースの入り口近くに設置され、黄色やピンクのパッケージが目立つので立ち止まる方が多かった。SPOT JELLYへそごまパックは商品コンセプト自体のインパクトが大きく、なんだろう?どうやって使うのか?と好奇心をかきたてる製品だ。MEGLYはデバイスが付属している設計にガジェット感があり男性からも注目された。b8taでは以前JAXAとコラボしたことがあるが、宇宙という壮大なキーワードのCOSMOLOGYにも高い関心が集まった。個性が強い各商品のそれぞれの訴求ポイントでうまくお客様の興味を引けたと思う」(嶌村氏)

実際にMEGLYなどは、手に持って噴射することで、デバイスが軽量で扱いやすく、ミストの細かさも体感でき、顧客からは驚きや発見があったといった反応が寄せられたという。

Beyond Beautyのブースには1カ月強の実施期間中、約4,000名が訪れた。これはb8ta Tokyo – Yurakuchoにおけるほかの区画と比べても多かったと嶌村氏は振り返る。

立地ごとの客層に合わせた出品でメーカーにも来店者にもベターな体験を目指す

オフィス街の路面店であるb8ta Tokyo – Yurakuchoの来店者の男女比は半々か、やや男性が多く、通りがかりのビジネスパーソンがのぞいていくことも多々ある。b8taでは、出品を希望する企業にこうした各店舗の立地や客層にあわせたアドバイスをし、クライアント企業につき必ず一人は専属のCS(カスタマーサクセス)担当をアサインしている。CSは、出品企業のデータ活用の目的をヒアリングし、それらを店舗スタッフに共有。定量データのほか、来店者の反応やイベントの反響など取得したデータをもとにレビューミーティングを行い、出展企業に合わせて、売上ひいては事業成長につなげるためのデータの活用方法や施策の提案も行っている。

「b8ta Tokyo – Yurakuchoはコロナ下だった2020年8月にオープンしたが、2023年に入ったころからコロナが収束に向かったこともあり、問い合わせが増加傾向にある。過去のイベントで得た知見やデータも踏まえながら、今後もイベント企画は継続的に開催していく」(嶌村氏)

Beyond Beauty以外にも通年で多数のイベントが開催されており、美容系ではBeyond Beautyと並行して、男女問わず幅広い人々が楽しめるビューティアイテムを集めた「Neutral βeauty」という特設コーナーが設けられた。また、「Holiday Wishes from b8ta」では、カテゴリーを横断して、ギフトニーズやリラックスして過ごすためのアイテムなど、ホリデーシーズンに合った商品を集めて紹介している。

b8ta Tokyo – Yurakucho
編集部撮影

店内は数カ月単位で商品もレイアウトもどんどん入れ変わるため、来店者にとっては何度足を運んでも飽きない面白さがある。また、体験ベースの店舗のため、購買のプレッシャーもなく存分に新製品を見て回り試すことができる。b8taでは常設店舗のほかに、期間限定のポップアップストアを日本各地で展開しており、さまざまなニーズを測りながら、常設店の数も拡大していく予定とする。

Text: 落合真彩(Maaya Ochiai)
Top image and photo: ベータ・ジャパン株式会社

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