Z世代のニーズから誕生、NTTコミュニケーションズの美容体験サービス「Smart Powder Room」は共創プラットフォーム化へ
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NTTコミュニケーションズ社内の草の根的な共創アイディア募集から生まれた個室ブース「Smart Powder Room(スマートパウダールーム)」は、同社とさまざまな企業との共創による、美容体験サービスのプラットフォームとして展開を模索している。同社担当者に、実証実験や社内検証を通じてみえてきた今後の展望を聞いた。
個室ブースで顔のタイプ診断からメイクアップの提案、テスターでのお試しまで完結
Smart Powder Roomは、個室ブースに入室したユーザーに、AIによる16通りの顔のタイプ診断を提供するとともに、それぞれのタイプごとに適したおすすめのメイクアップを提案する体験型サービスだ。ブース内にはファンデーションやカラーメイクなどの各種化粧品を設置しており、ユーザーはそれらを自由に使ってその場でメイクアップを試すことができる。
発端は、NTTコミュニケーションズ ビジネスソリューション本部において、製造業や建設、不動産業界に向けた営業活動をおこなう第三ビジネスソリューション部で2022年度に実施した共創アイディアの募集だった。同部内で他企業との共創や、同社がBBX(B2B2X)モデルと呼ぶ、ターゲット顧客をもつ企業を介して、エンドユーザーにサービスを提供するビジネスモデルでの事業立ち上げを行うビジネスデザイン部門が、新規事業の検討のために社員に向けてアイディア提供を呼びかけた。
「新規事業を考える際には、どうしても(自社が持つ)ソリューションありきで、『この技術を使ってこんなサービスはできないか』となりがちだ。しかし、我々ひとりひとりはマーケット内にいる消費者であり、一消費者として、『こんなサービスがあったらいいな』と、いわば、逆方向からの発想をすることで新たな広がりや可能性が生まれると思った。そこで第三ビジネスソリューション部の約250人(当時)のメンバーに、『一消費者の視点から事業アイディアの種を応募してほしい』と呼びかけた」と、NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 第三ビジネスソリューション部 ビジネスデザイン部門 川島美由紀氏は振り返る。
Smart Powder Roomの発案者は、普段は自動車関係の顧客を担当している男性社員で、コロナ禍で顧客接点が減少している化粧品業界において、化粧品をゆっくり試せる空間により、新たな付加価値が提供できるのではないか、という着想からだった。日頃、小さなバッグひとつを持って歩く若者たちを見て、思いついたという。
川島氏らビジネスデザイン部門のメンバーは、そこからさらに社内アンケート調査や美容関連企業へのヒアリングを重ね、Z世代を中心とした「自分に似合うメイクがわからない」が「百貨店の化粧品カウンターは、敷居の高さや、買わなくてはいけないプレッシャーを感じる」「ドラッグストアなどのテスターは、人目が気になり、落ち着いて使いにくい」といった、化粧品の購入行動に関する課題を掘り起こした。そして、一定の需要が見込めるという判断に至ったことから、実際に利用者に受け入れられるものか、価値検証のための実証実験を行った。
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