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STAFF STARTで「売れるオンライン美容部員」加速へ、アイスタイルとの提携も

◆ English version: Cosmetic sales staff use Staff Start app to engage customers…istyle is also on this new beauty bandwagon
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販売スタッフのオンライン上での接客・販売を可能にし、その活動や売上の成果を可視化する「STAFF START」。すでにアパレル業界では800以上のブランドが導入している同サービスを、美容企業ではいち早く株式会社コーセーが「メゾン・コーセー」で導入した。STAFF STARTを運営する株式会社バニッシュ・スタンダードと株式会社アイスタイルの業務提携も発表され、美容業界での活用が一気に加速しそうだ。

STAFF STARTを組み込んだECサイトでは、店舗の販売員や美容部員がおすすめコーディネートやメイクのハウツーなどをいつでも投稿でき、その投稿を起点として、いつ、どの商品が、どういったターゲットに売れたかなどの数値が把握できる。

つまりSTAFF STARTは、実店舗の販売スタッフを軸にオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービスだ。「店舗とECが相対するものではなく、店舗の販売スタッフがECの売上に貢献することが店舗の評価となり、同時にスタッフのやりがいや店舗の活性化につながる仕組みを作りたかった」と株式会社バニッシュ・スタンダード 代表取締役 小野里寧晃氏は開発のきっかけを語る。ファッション領域からスタートし、現在はアダストリアやベイクルーズなど大手アパレル企業を含む800を超えるブランドが導入しており、約10万人の販売スタッフが利用しているという(2020年6月時点)。

コーディネートの投稿方法は、いたってシンプルだ。販売スタッフは、STAFF STARTのアプリでコーディネートを撮影し、それに商品情報を紐づけて、ECや自身のSNSなど投稿先メディアを選ぶだけで、簡単に投稿が完了する。投稿したコーディネート経由で商品が売れると、その売上は販売スタッフに紐付き、EC上で売上げランキングが公表され、販売スタッフのやりがいにもつながる。また、在籍する店舗の売上としても計上されるので、店舗も活性化するという好循環が生まれるのだ。

FireShot Capture 068 - PAL CLOSET(パルクローゼット) - パルグループ公式ファッション通販サイト - www.palcloset.jp

STAFF START経由で投稿された
コーディネート写真
出典:PAL CLOSET

自粛による店舗休業中でも、昨年同月比でEC売上200%を達成

小野里氏によると、2019年の1年間で、STAFF STARTで投稿したコーディネートなどを経由した売上総額は411億円で、前年比311%と大きく増加した。「4月は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて休業を余儀なくされた店舗も多かったが、販売スタッフがコーディネートを毎日投稿した結果、昨年同月比でEC売上200%を達成した企業もあった」という。

導入企業のEC売上全体に占めるSTAFF START経由での売上は平均46.7%で、なかには90%に達しているブランドもある。「この数字からわかるのは、カタログのようなブランドの世界観を重視した外国人モデルのコーディネートやきれいに撮影された商品写真よりも、等身大のスタッフのコーディネートのほうが購買決定に大きく影響するということだ。憧れよりも、実際の購買には好感度と共感が貢献していることがわかる」と小野里氏は言い切る。

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管理画面では販売スタッフの売上や
その詳細な内訳が可視化できる
提供:バニッシュ・スタンダード

STAFF STARTは、消費者の行動や感情をリアルタイムで可視化する「KARTE」と連携するほか、メルカリ、三井ショッピングパーク「&mall」などの外部プラットフォームと連携し、投稿先メディアの拡充を図っている。

ひとつの投稿で発生した最高売上は619万円

すでにアパレル分野ではSTAFF START経由で、月間7,965万円販売したスタッフも出てきており、月に1,000万円以上を販売するスタッフは百人単位で存在するという。「1投稿から発生した過去最高売上は619万円。店舗での1回の接客でこの数字を叩き出すことは難しいが、コーディネート投稿がオンライン上で接客すると考えると、効率よく売上を立てることができる」と小野里氏は導入メリットを強調する。

FireShot Capture 069 - スタッフコーディネート一覧 - PAL CLOSET(パルクローゼット) - パルグループ公式ファッション通販サイト - www.palcloset.jp

身長、トレンドワードのタグで検索して
顧客はより自分に近い販売スタッフと
出会うことができる
出典:PAL CLOSET

また、STAFF STARTを導入したブランドの売上ランキングでは、地方店舗の販売スタッフが上位になることが多いという。その理由について、「平日昼間、店舗の買い物客が少ない時間帯にコーディネートの撮影やページ作りにあてることができるからだ」と小野里氏は分析する。店舗の場所や時間によらず、全国の顧客を相手にオンラインで接客・販売できるため、全国区で人気の地方発「社内インフルエンサー」的な販売スタッフも誕生している。

STAFF START上にある販売スタッフの個人ページは、スタッフのInstagramアカウントと連動しており、フォロワーが5万人を超えるスタッフも存在する。「フォロワーが1万人を超えると、出勤日がいつなのかをフォロワーから聞かれることも多くなり、コミュニケーションが活発になる。Instagramがきっかけで、顧客がリアル店舗に足を運ぶという現象もおきている」と小野里氏はいう。

STAFF STARTの管理画面上では、個人のSNS経由での売上も可視化されるので、そこにインセンティブをつけることで、販売員のモチベーションをさらにあげることができる。

「社内インフルエンサーが活躍するようになれば、ブランド側はそれまで外部インフルエンサーに依頼していた広告宣伝費を削減することができる。販売した成果が評価にきちんと反映されるので販売スタッフのやりがいにもつながり、一般的に高いとされる販売スタッフの離職率の改善にも貢献する」(小野里氏)

STAFF STARTは、販売スタッフの働き方を変えるだけでなく、販売スタッフのもつポテンシャルを最大限に活用してブランド全体の売上につなげることができる。販売スタッフを軸に、店舗とECの相乗効果で売上をつくる好循環を生みだすことができるのだ。

美容部員の働きがい創出の取り組みとして導入

このSTAFF STARTを美容業界でいち早く導入したのが、株式会社コーセーが運営する総合美容情報サイト「メゾン コーセー(Maison KOSÉ)」だ。2019年11月に、美容部員の呼称をビューティコンサルタント(BC)に変更し、BCの働きがいを創出する取り組みのひとつとあわせ、ユーザーに新たな価値を提供することを目的に導入された。「商品やブランドの豊富な知識を持ち、美容ライターやインフルエンサーよりも、ユーザーにとってより身近な存在であるBCが、店舗にとどまらず活躍できる場所を作りたいという思いがあった」と、株式会社コーセー 経営企画部 コーポレートコミュニケーション室 広報課 課長 岩﨑真吾氏は説明する。

BCが投稿したスキンケアやメイクのコンテンツは、メゾン コーセーのトップページから「スタッフコンテンツ」にいくと一覧で表示される。アイテムやブランドだけでなく、「年代」「肌質」「肌色」「まぶた」といった特徴から投稿を絞り込むことで、ユーザーは自分に近いBCの投稿を参考にすることができる。

FireShot Capture 070 - STAFF CONTENTS スキンケア一覧 - maison.kose.co.jp

スタッフコンテンツページ
出典:メゾン・コーセー

現在は、2019年の全国表彰でファイナリストに選ばれたBCのなかから10数名が投稿している。投稿内容についてはBCに一任しており、表現が法にふれていないかどうかだけを事前に確認しているが、できるだけBCの生の声をそのまま届けることを心がけているという。Web上でも、店頭で顧客と会話しているような表現や内容にして、ユーザーとの「ちょうどよい」距離感を大事にしている。

「人それぞれ得意不得意があるので、強制はせず、自発性を大切にしている。プライバシーへの配慮から、基本的に顔は出すが、ショップ名や個人名は明かさず、ニックネームで投稿している」と岩崎氏。コロナ禍の3月から運用が始まったばかりだが、自宅待機を余儀なくされていたBCからは「自宅にいながら情報発信できるのはうれしい」といった声が届いているという。また、ユーザーからも「簡単に取り入れられるテクニックを学ぶことができて参考になる」などの声が挙がっている。

「導入1年目はトライアルの年と捉え、投稿本数や売上目標などは設定せずに社内外で認知をあげていきたい。将来的には、投稿を多言語化して、海外の方にも見てもらえるようにするといった構想もある。そして今後は投稿するBCの数を増やしていく計画だが、BCの中から『自分もやってみたい』という人が出てきて、BCの新しい働きがいやワークスタイル、キャリア開発につながっていくことを期待している。インセンティブや、店頭の接客だけではない新しい評価基準など、BCのモチベーションを後押しできる方法も模索していければと考えている」(岩崎氏)

アイスタイルとの業務提携で、美容ブランドへの導入促進

こうした動きがあるなかで、2020年7月1日、株式会社バニッシュ・スタンダードは、美容ブランドへのSTAFF START導入の独占窓口として、株式会社アイスタイルと業務提携することを発表した。美容領域のビジネスに知見をもつアイスタイルがSTAFF STARTの販売窓口となり、美容ブランドへのSTAFF START導入を円滑にし、実店舗で働く美容部員を軸としたECの活性、および店舗とECの融合をサポートする。

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提供:アイスタイル

今後は、同社グループのECサイトである@cosme SHOPPINGへの同時投稿が可能になる予定。さらに、将来的には@cosmeの商品データーベース、Beauty ID(美容事業者が持つID)のデータベースとの連携もはかり、顧客と美容部員のオンライン上の活動を@cosmeプラットフォーム上のユーザーデータを可視化するマーケティングツール「ブランドオフィシャル」上ですべて可視化できるようにする計画も進行中だ。また、ブランドオフィシャルとSTAFF STARTのデータベースを連携することで、どの美容部員の投稿がきっかけで購買に至ったのかのプロセスも含めて、一人ひとりのユーザーの動きの可視化が可能になる。

株式会社アイスタイル Associate Vice President 波多江祐介氏は、「ブランドオフィシャルは、潜在顧客がどのようにロイヤルカスタマーに遷移していくかのカスタマージャーニーを解像度高く可視化するツールだ。STAFF STARTとの連携によって、”買う“からスタートする顧客との関係性がどのように変化していくのかをブランドオフィシャルでみられるようになり、これまでとは違った視点から戦略策定に役立てることができる」と話す。

アイスタイルでは同日、あわせて「オンライン美容部員」の委託・育成サポート、総合的なソリューションを視野に入れた「オンライン美容部員プロジェクト」も発表した。STAFF STARTをはじめとしたさまざまなツール上で活躍できるオンライン美容部員を、デジタルリテラシーからコンテンツ作成ノウハウなどさまざまな側面から支援していくとしている。

Text: 小野梨奈(Lina Ono)
Top image: DenPhotos via shutterstock


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