激戦のブラウンアイシャドウ市場を、デジタル施策で切り込む秘策とは
◆English version: Loved by 75% of Japanese women, brown eye shadow holds the secret to their world of eye makeup
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日本のブラウン・ベージュ系のアイシャドウの売上は、すべてのアイシャドウのなんと75%を占める(資生堂マキアージュ調べ)。これは日本独特の傾向だと言ってもいいだろう。その流れを10年前につくったのがルナソル(スキンモデリングアイズ 01 Beige Beige)とKATE(ブラウンシェードアイズN)ではないか。その牙城を、資生堂のマキアージュ、イプサの2ブランドが相次いでデジタル施策をからめた「体験」戦略で崩しにかかっている。果たしてその勝算はいかに。
半数近い女性がブラウンアイシャドウに満足していない現実
マキアージュが行った調査によると、アイシャドウ市場において、実に75%のシェアを占めるのが「ブラウン」「ベージュ」系だ。とはいえ、「45.5%の女性がブラウンアイシャドウに満足していない」。この数字に思わず目をとめたのが、資生堂ジャパン株式会社 コスメティックスブランド事業本部 マーケティング部 メイクアップ室 マキアージュ カレントグループ ブランドマネージャーの畠山真紀氏だった。
この45%の満足していないブラウンアイシャドウユーザーを満足させることこそが、ブラウン・ベージュ系アイシャドウ市場を勝ち抜くための策だと感じた畠山氏は、そもそも、なぜ日本のユーザーはブラウンアイシャドウを好むのかを追求することにした。
ユーザーの声を深堀していくと、「目になじむから、使いやすいから」という声がある一方で、ブラウンアイシャドウを使う目的として、どれだけ「瞳が大きく見えるか」を重要視していることがわかった。そこで、畠山氏をはじめ研究員が着目したのが「ブラウンの色と瞳の大きさの関係」だ。
つまり、「ブラウンの色を使うとなぜ目が大きく見えるのか?」をテーマにして調査を続けると、日本人の瞳の色はそれぞれ、彩度や明度が違うブラウンだということがわかった。そして120名の瞳の色を撮影し、ブラウンの瞳の分布図を完成させた。そして個人個人の瞳の色に合わせたブラウンアイシャドウのコンセプトを完成させ、商品開発がスタートした。
マキアージュ初のデジタル施策を成功に導いた「歩く瞳のデータベース」
「正直なところ、それほど色に差があるとは思っていなかったが、これが客観的に測定できたら面白いかもしれないと思った」とマキアージュ アシスタントブランドマネージャーの萩原里実氏はいう。その後、販促促進のためのキャッチフレーズ「見つけて、運命のブラウン」、からデジタルツール開発までを一気通貫で担当した。様々な環境での瞳の撮影やカラーコンタクトなど多角的に瞳の色を研究し、デジタルツールを完成。
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