IoT特化型ストア「adpt」は顧客のインサイトを引き出すリアルな実験場
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2019年3月、最新のIoT製品やユニークなガジェットを厳選してリアル店舗に並べた体験型ライフスタイルストア「adpt(アダプト)」が、約1ヶ月の実証実験を終えた。ECサイトやクラウドファンディングなどオンラインでの販売がメインのアイテムを、リアルの場で販売することで、オンラインでは知り得ない消費者の「生の声」を収集する。
2019年2月14日~3月11日まで、東京・表参道に実証実験の場としてポップアップショップ「adpt」がオープンした。運営者は、短期の店舗を開きたい借り手とスペースオーナーを結ぶ、国内最大級の商用スペースマッチングサービス「SHOPCOUNTER」を手がける株式会社COUNTERWORKS(カウンターワークス)だ。
国内1,000件以上の商用スペースに通じている強みを活かして選ばれた店舗は、青山通りに面し、1日あたり1〜2万人(※カウンターワークス調べ)が通行するという立地にある。「未来の生活を体験できるストア」というコンセプトで、バラエティ番組「王様のブランチ」をはじめ、複数のテレビやラジオ番組も取材に訪れるなど盛況のうちに終了した。今回は23社31製品が取り扱われ、その多くがD2Cブランドだ。美容・ヘルスケア関連は7製品だった。
adpt外観
人員も什器も必要なし。商品を委託して「生の声」を得る
adptは、主催者側が店舗や設備を用意して商品を募り、期間限定でアイテムを販売する、いわばセレクトショップ型のポップアップストアだ。ここに、IoTガジェットなどを開発・生産している企業からのアイテムを集め、販売する。企業は接客や販売のための人員を用意する必要はなく、什器の手配含め、すべてadptを運営するカウンターワークスが行う。オンラインで知ってはいるが検討中の顧客や、まだ商品を知らない顧客などにもリアルでアプローチできるのが強みだ。
来場者の大きな注目を集めた癒しロボット「LOVOT」
スマート歯ブラシ
「InfinitusValue Smart Tracking Toothbrush」と、
AR搭載アプリ「Brush Monster」(右)
カメラ型センサー(左)
adptでは、各製品コーナーに取り付けられたカメラ型センサーで来店者情報を取得する。今回は、Future Standard社の映像解析AI内蔵のカメラを使用した。来場者属性(性別、年代)に加え、推定来場者・体験者数、購入者数、検討者数(※製品コーナーに置かれた購入や情報収集のためのQRコードが読み取られた数)といった定量データが取得できる。
ユニークなのは、販売員との対話のなかで来店客がどんな反応を示したかという定性データも採取できる点だ。販売員と客のやりとりを分析し、例えば「ほうれい線が気になりはじめたという30歳代の女性が、小型美顔器の購入を検討していた」「購入の決め手は操作が簡単な点だった」「購入を検討しなかった人は価格が見合わなかった」など顧客心理を含めたデータが得られる。こういった来店客からの意見や要望、感想などは、企業に随時フィードバックされるほか、終了後には詳細なレポートにまとめられて提出される。そのデータをもとに事後ミーティングの場を設け、今後の製品の改善やマーケティングのアドバイスを行うまでが、adptが提供するサービス内容だ。
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