シンガポールのVCが語る、美容やファッション起業家が世界を目指すためのノウハウ
◆ English version: Singapore VCs teach beauty and fashion entrepreneurs how to take on the world
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東南アジアでの初開催となったFaB シンガポール・ミートアップ。パネリストにはベンチャーキャピタリストら投資家が勢ぞろいし、ビジネスを成功に導くためには何が必要か、率直な意見交換が交わされた。人種、文化、宗教など多様性に富んだ東南アジア市場に切り込むプランづくりから、投資につながる具体的なアプローチ手段まで、示唆に満ちたディスカッションの現場をレポートする。
美容とファッション業界に、テクノロジーで新しい価値を創造する起業家と投資家のコミュニティ「Fashion & Beauty Tech Community(FaB)」のミートアップイベントが2019年5月28日、シンガポールで開催された。FaBは、サンフランシスコを本部とし、現在世界12都市に支部があり、東南アジアでは今回が最初のイニシアティブとなった。
会場は、シンガポールで最も国際色豊かな商業地区であるオーチャード・ロード沿いの「Design Orchard」。この複合施設は今年1月にオープンしたばかりで、ローカルデザイナーによるファッション関連グッズを販売し、後進のためのインキュベーション施設もある。
この施設の運営をするNPOのテキスタイル・ファッション連盟(TaFF)のCEOであるセムン・ホー(Semun Ho)氏は、「シンガポールは東南アジアのなかでも、整ったインフラ設備、テック事情に精通した市場、そして、多民族社会という環境が揃う。TaFFは、ここからインキュベーションプログラムやメンターシップなどを通してテクノロジーを活用したスタートアップを支援することで、産業そのものの持続性に貢献していくのが目的だ」と述べ、FaBのミートアップ開催を歓迎した。
今回のテーマは、「ベンチャーキャピタリストが語るファッションとビューティ関連スタートアップの現状」。パネリストには、ベンチャーキャピタル(VC)のキャリアも長いエンジェル投資家1名と、若手のベンチャーキャピタリスト3名が招かれた。いずれのVCも、東南アジア全体をみわたして、ポテンシャルのある起業家の発掘や、シード期からIPOまで数々のスタートアップを手掛けている。また、約50名の参加者のうちおよそ6割が関連業界のビジネスオーナーで、うち半数が資金調達を模索中とみられる。
左から、モデレーターのデブラ・ラングレイ氏、
アーノルド・ボンゾム氏、メリッサ・ホー氏、
タミー・シウ氏、そして、ケルビン・レユン氏
スタートアップとVCの連携をテコに業界が成長
モデレーターを務めたのは、Start Today Venturesのベンチャー・パートナーでもあるデブラ・ラングレイ(Debra Langley)氏だ。DKNY JEANSインターナショナルの元プレジデントであり、ファッションとリテールテックのコンサルタントとしての経歴を持つ。
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