日本進出のRevieve、ARメイク・肌分析からレコメンド、アドバイスまでの体験を提供
見出し画像

日本進出のRevieve、ARメイク・肌分析からレコメンド、アドバイスまでの体験を提供

BeautyTech.jp

◆ 9/1よりリニューアルしました。詳細はこちら
◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

自社開発のAI/ARを活用したビューティプラットフォームやパーソナライズ体験を提供するフィンランド発のビューティテック企業 Revieveは、2021年12月、新商品「AIメイクアップアドバイザー」をリリース、さらにグローバルなドラッグストアチェーンを擁するA.S. Watson Groupとの提携を発表した。同年6月には日本事務所を開設し、本格上陸を果たしている同社のサービスの概要とブランドやリテールにとっての利点、今後の日本での展開について、Revieve Oy 日本カントリーマネージャー 森悠祐氏と、Revieve Oy マーケティング&コミュニケーションマネージャー キンバリー・オギルブ(Kimberly Oguilve)氏に聞いた。

肌診断やARトライアルから商品レコメンド、さらにはアドバイスまでを提供

フィンランドの首都ヘルシンキにヨーロッパ本社を構えるRevieve Oyは、ビューティブランドやリテールをパートナーとして、独自のテクノロジーである「Revieve Health-Beauty-Wellness Platform」を通じて、スキンケア、コスメのパーソナライズ体験をエンドユーザーに届ける。

その大きな特徴は、肌診断や分析、メイクのバーチャルトライオンのみならず、取得したユーザーデータにもとづき、各自に適切な商品やサービスのレコメンドから、さらにはトリートメント方法やメイクメソッドといった、一人ひとりのニーズに即したアドバイスまでを提示する点にある。この「より深いアドバイザー体験」の提供こそが、競合他社との一番の違いだと森氏は語る。

Revieveの採用企業には、資生堂EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)&US、Ulta Beauty、No7をはじめ、美容やウエルネスにおけるトップブランド企業がおり、世界各地で展開している。

2021年12月2日に発表された新サービス「AI メイクアップアドバイザー」も、データに裏付けられた一歩踏み込んだ提案が受けられる設計だ。基本コンセプトは「3ステップで完結」で、ユーザーがスマートフォンに入力した自身の情報や要望、悩みなどを聞き取る「Hear」にはじまり、ユーザーの自撮り顔画像をAIが分析する「See」、そして、目と唇、肌の3つのポイントで各自にあった商品アイテムを使用したおすすめのデジタルメイクアップ体験を提供する「Empower」の、3段階のエンゲージメントとしている。

AI メイクアップアドバイザーを採用した企業やブランドは、マッチングによってエンドユーザーと商品のダイレクトなタッチポイントを築けるのに加え、「得られたファーストパーティデータを活用することで、顧客の商品探索から購買に至るまで、シームレスなカスタマージャーニーを構築するのに必要なデータ分析が可能になる」と森氏は説明する。あわせて「どんな属性や志向を持ったユーザーが、どの商品を好むか」「コンバージョン率が上がるレコメンドはどのようなものか」といった行動データが可視化されるので、顧客理解を深めてマーケティングや商品開発に反映させることも可能だという。

ワトソンズと提携、小売のオムニチャネル戦略に貢献する肌診断

さらに2021年12月15日には、ドラッグストアチェーン「ワトソンズ」などを展開するビューティ&ウエルネス領域の大手リテーラーA.S. Watson GroupがRevieveと提携し、同社の既存サービスである「AIスキンアドバイザー」を導入したことを正式発表した。

A.S. Watsonはアジアとヨーロッパで展開する、グループ傘下の1万6,000以上の実店舗と100を超えるデジタルプラットフォームをシームレスにネットワークし、オンとオフの在庫管理を一元化したOMO施策の進化版として、独自のO+O(Online plus Offline)リテール・エコシステムを構築している。

A.S. Watson Group 欧州最高デジタル責任者のダン・ジャーヴィス(Dan Jarvis)氏は、「A.S. Watsonはオンラインとオフラインが統合されたO+Oリテール・エコシステムにより、お客様がいつでもどこでも、あらゆるチャネルで買い物ができるようにするものだ」とプレスリリースのなかで述べ、Revieveをテクノロジーパートナーに迎えたことで、デジタルによる肌診断サービスがより充実し、顧客のO+O体験が豊かになることへの期待を表明した。

AIスキンアドバイザーは独自のコンピュータビジョン(コンピュータに人間の視覚の機能を持たせること)技術と肌診断技術を組み合わせ、ユーザーの顔から120以上の肌指標を分析、スキンケアや美容に関する顔や肌の特徴を解析するいくつかのアルゴリズムで構成されており、ユーザーが住んでいる地域の紫外線量や湿度など気象条件データも加味し、より正確な診断とレコメンドにつなげているとする。これにより、ユーザーは自撮り写真の撮影と、肌タイプや肌の悩みに関する質問に答えることで、パーソナライズした肌分析レポートや製品の推奨、おすすめのトリートメントなどのアドバイスが受けられ、ワンクリックで購入も可能だ。

A.S. Watson傘下で、ブーツに次ぐ英国2位の美容&ウエルネス小売「Superdrug」は、AIスキンアドバイザーを活用した結果、ユーザーのコンバージョン率が100%向上し、平均注文額(AoV)が20%増加。また、1960年代にベルギーで創業の香水&化粧品専門店チェーン「ICI PARIS XL」においては、ユーザーの滞在時間が2倍になったという。

Revieveの共同創業者兼CEOのサンポ・パーキネン(Sampo Parkkinen)氏は、AI メイクアップアドバイザーを紹介するオンライン新商品発表会の冒頭挨拶で、消費者の89%が商品を購入する前に自発的に何らかのリサーチをしていると話し、正確で信頼性の高い分析と、データにもとづく科学的にパーソナライズしたレコメンドやアドバイスを受けることで、消費者は確信を持って商品を選ぶことができ、それがコンバージョン率や売上の向上につながるとして、Revieveのサービスモデルへの自信を示している。

ブランドが設計したい顧客体験にあわせて柔軟な取り組みが可能

一方、2021年6月の日本での正式ローンチ以来、日本市場の開拓に注力する森氏は、Revieveの強みを「プラットフォームとデータベース、ブランドニーズに沿ったカスタマイズ可能な技術開発力の全部を持っているところだ。ブランドが商品を販売するのに必要な機能が揃い、それをクライアントにあわせて最適化できる」とする。

Revieve Oy 日本カントリーマネージャー 森悠祐氏
プロフィール / 2021年6月より現職。
大学卒業後、SBテクノロジー、インフォシス、
メディデータソリューションズ等のテクノロジー企業で
事業開発、マーケティング等の経験を経て、
ITコンサルティング企業ウィプロジャパンの
ライフサイエンス・リテール事業統括部長を経験。
早稲田大学大学院経営管理研究科(MBA)卒

たとえば、ブランドが持つ商品データを受け取り、Revieveの既存のレコメンドアルゴリズムに落とし込むといった設定はすぐに可能で、その際にブランド側の「こういうタイプの人にはこの商品を勧めたい」というマーケティング的な意思や意味づけを加えて、レコメンドに重みをつけるといった調整も可能だ。

「ブランド側がゼロからレコメンドのロジックを組んでいくと、1年くらいの大がかりなプロジェクトになってしまう。私たちはすでにさまざまなロジックを保持しており、それを選んですぐ使うこともできれば、ブランドのこだわりや要望を反映することも可能で、それにかかる期間は約1〜2カ月だ」とスピーディな導入で作業時間とコストを削減すると森氏は話す。

あるいはSaaS型として、コンピュータビジョンから、質問票の設計、レコメンデーションのエンジン自体まで、すべてRevieveに外注する方法や、ブランド側が自社のECやアプリ、LINEアカウント内に、たとえばアナライザーの部分だけをAPI連携し、モジュールとして組み込むこともできるなどブランドが考える顧客体験にそって柔軟な対応が可能だという。

ARバーチャルメイクでレコメンドを可能にする巨大な商品データベース

世界各地のクライアントと提携しグローバルな展開を進めてきたRevieveでは、商品情報に関する膨大なデータの蓄積があり、それも強みの1つであると語るのは、キンバリー・オギルブ氏だ。

Revieve Oy マーケティング&コミュニケーション
マネージャー
キンバリー・オギルブ(Kimberly Oguilve)氏

「化粧品業界においては無数ともいえる商品番号や色番が存在しているが、Revieveは私たちのパートナーか否かにかかわらず、多くの企業やブランドから商品データベースの提供を受けており、自社で独自に収集・蓄積したデータと統合させることで、日々自動的にデータベースをアップデートしている。新規のクライアントであっても、ブランド側が新商品アイテムの情報を手動で入力する必要はなく、API連携によりリアルタイムで最新のものに反映される。これは(企業にとって)大きな効率化につながる」(オギルブ氏)

このデータベースがRevieveの最大の特徴である「ユーザーと特定商品のマッチングとレコメンド」に重要な役割を果たす。たとえば口紅を例にとるなら、ARバーチャルメイクとしてユーザーが試したい色をデジタルで表示するツールはすでに存在しているが、それが自分に似合うかどうかという判断はユーザー自身に委ねられる。Revieveでは、質感や色味、使い心地、あるいは成分などのユーザーの好みと、肌トーンや唇の形状といった個々の顔の分析にもとづき、「あなたに似合う商品」を割り出し、豊富なリストのなかからアイテムを選び抜いて提案する。

オギルブ氏は「社内では、肌トーンが異なるスタッフが実際にAIメイクアップアドバイザーを使用して、適切なレコメンドがなされるかを試している」と明かし、ユーザーが納得または満足できる選定ができているかを定期的に検証し、精度の向上に努めているとする。

トッパンバーチャルヒューマンラボとの協業でさらに人体情報データ活用へ

日本では、すでにいくつかの化粧品ブランドやリテールからの問い合わせがあり商談が進んでいるほか、人体情報データ活用に関する研究/用途開発を推進するトッパンバーチャルヒューマンラボとの協働が決まっているRevieveだが、日本に進出を決めたきっかけは「海外で展開する日本企業から、話を聞きたい、使ってみたいとのアプローチを受け、実際にプロジェクトを一緒に行う機会が多かった」(森氏)からだという。

「日本の化粧品ブランドは、スキンケアの重要性をよく理解しており、顧客一人ひとりにあった製品を提供し、顧客の健康に貢献したいと考える傾向が強い。Revieveはメイクアップとスキンケアのほかに、自撮り画像の解析などをもとに必要な栄養素を提案するニュートリション(栄養)アドバイザーと、紫外線による肌ダメージを測定し必要なサンケアをアドバイスするAIソリューションを持ち、スキンケア、ビューティ、ウエルネスの3つの分野での、パーソナライズした、より良き顧客体験の提供を目指している。私たちのこうした姿勢に共感していただける企業が日本には多いと感じている」(森氏)

今後は日本の美容業界事情に即した新しいビジネスモデルの構築をパートナー企業と進めていくことや、海外進出を計画する企業・ブランドに対し、Revieveのグローバルな知見を活かしたサポートをすることも視野に入れつつ、日本でのプレゼンスを高めていきたいと森氏は意欲をみせる。

Text: そごうあやこ (Ayako Sogo)
Top image & photo: Revieve Oy

ありがとうございます!メルマガで隔週で更新情報配信中。ぜひご登録を!
BeautyTech.jp
美容業界の国内外のイノベーションを発信するメディア。最新記事から過去1ヶ月分は無料でお読みいただけます。それ以降の記事は「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。詳しくはこちらから→ https://goo.gl/7cDpmf