循環型商品配送プラットフォームcomveyが化粧品対応可に。目指す新しい物流の姿
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ダンボール箱などの代わりとして50〜100回以上繰り返し使用できるリユーサブル梱包バッグによる商品配送を提案する株式会社comvey。大量の梱包ゴミやCO₂の発生、配達員不足といったECを取り巻く課題を解決し、売り手、買い手、運び手の三者がウィンウィンとなる新しい物流のあり方を示そうとしている。2024年8月には、化粧品にも適用できる緩衝材つきのバッグをリリース。その全体像と随所にみられるサステナブルな取り組みを紹介する。
買い手、売り手、運び手、三者のペインを減らす循環型の商品配送
ECの普及によって、現在、宅配物の総数は年間50億個にのぼるともいわれ、しかもその数は増え続けている。配達員不足や物流に伴い発生する大量のCO₂やゴミなどの課題が叫ばれるなか、従来のダンボール箱に代わり、繰り返し使用できる自社開発のリユーサブル梱包バッグ「シェアバッグ®」を使用することで、買い手、売り手、運び手の三者にとってメリットがあり、人にも環境にとっても持続可能な物流システムを提案するのが、株式会社comveyだ。2022年6月に創業した同社は、このオペレーションシステムとシェアバッグ®の開発に約1年をかけ、2023年5月に同サービスをローンチした。
消費者はゴミ出しの手間が減り、リワードも獲得
その仕組みをまずは消費者側からみてみよう。comveyを導入した企業のECサイトで商品を購入する消費者は、配送の際にダンボールなど通常の梱包かcomveyのシェアバッグ®かの選択ができる。シェアバッグ®に入った商品が届いたユーザーが中身を取り出し、バッグに記載されている二次元コードをスマホで読み取ってリワードを選んだのち、バッグを折りたたんで郵便ポストに投函することで返却は終了。バッグがcomveyのもとに郵送され、回収が確認されると、ECサイトからのリワード、つまりクーポンや特定団体への寄付などが発行される仕組みだ。
株式会社comvey 代表取締役 CEO 梶田伸吾氏は「我々の調査では、多くの消費者はダンボールなどの梱包材を切ってたたんだり、テープをはがしたり、緩衝材を捨てたりといった作業や、保管し資源としてゴミ出しするなどの手間を苦痛に思っている。また、ゴミが出ることに対して環境への罪悪感を感じている人も相当数いる」と話す。同社のシェアバッグ®のユーザーに対する価値検証調査では、ダンボールなどに比べて「ゴミ出しの手間が省けた」とする人が89.4%、同じく「環境負荷低減に貢献できた」83%、「開封が簡単だった」74.5%といった回答結果が得られたという。
ユーザーへの配慮はシェアバッグ®のデザインにも現れている。リユーサブルな梱包バッグを制作する過程では、幾つもの試作モデルを作成し練り上げた。まずは丈夫で商品を保護できる耐久性があること、そして、開封口を再生ナイロン製のセキュリティロックで閉じることで、テープ貼りが必要なく、ハサミやカッターを使わずに簡単に開封できる設計とした。またcomveyのシステムは、日本全国に郵便ポストを17万5,145本(2023年3月31日現在)持つ日本郵便の広大なネットワークに着目し、ユーザーの使用済みバッグ返却のストレスを少なくしたところもポイントだ。このため、日本郵便とともに、たたんでポストに入れやすく郵送中に傷つきにくいデザインを考案したという。
このシェアバッグ®は、合成樹脂シートを国内工場で1点ずつ手で縫製して作られる。50〜100回以上繰り返し使用できる強度を持ち、ユーザーから返却されたバッグはcomveyでクリーニングや点検、必要に応じて修繕し、再びEC事業者のもとに納品される。使用限度に達したバッグ生地は、提携する国内最大手の合成樹脂シートメーカーの萩原工業によってペレット(粒状の合成樹脂)化し合成樹脂シートとして再製品化され、バッグ素材の95%以上が水平リサイクルされる。
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