コスメバンク本格始動、経済的困難下の女性世帯にコスメギフト配布と化粧品余剰課題の双方を解決へ
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全国のシングルマザーら経済的困難を抱える世帯に、化粧品メーカーが持つ余剰在庫のコスメを詰め合わせ、支援団体などを通じて無償提供する「コスメバンクプロジェクト」のパイロットテストが、2021年12月に初回ギフトとして2万2,000世帯への配送を終えた。これを受け、活動の継続と拡大を目指し、コスメバンク運営コミッティを立ち上げて本格的に始動する。運営団体バンクフォースマイルズ代表理事の山田メユミ氏と、プロボノとしてサポートするバンクフォースマイルズ 事務局長 藤田恭子氏に、コスメバンクに込められた思いと、今後の方針について聞いた。
17社約15万点の寄贈をもとに80団体38施設と連携しパイロット運用
「子どもの卒業式なのに口紅一本なく、マスクで顔を隠して参列した」というシングルマザーの声にショックを受けたのが、「コスメバンクプロジェクト」を立ち上げようと思ったきっかけだったと語るのが、アイスタイルの共同創業者であり、同プロジェクトの運営団体 一般社団法人バンクフォースマイルズの代表理事を務める山田メユミ氏だ。
「化粧品は人々の暮らしの質を高め、幸せをもたらすものという自負を持って業界に携わってきたが、化粧品がないために悲しい気持ちになる人がいることに全く気がついていなかった自分が恥ずかしかった。一方で、化粧品業界は余剰品という問題を恒常的に抱えている。品質にはなんら問題がないにも関わらず、外装パッケージや仕様の変更などで再販が難しく行き場のない商品を、欲しいのに入手できない人にマッチングして届けられれば、笑顔になれる人が増え、さらには企業にも地球にも貢献できるのではないかと考えた」(山田氏)
こうして、化粧品メーカーが抱える余剰在庫品の寄贈を受け「コスメ詰め合わせギフト」として、ひとり親支援団体や母子生活支援施設/シェルターなど80団体38施設を通じて無償提供するコスメバンクプロジェクトのパイロットテストがスタート。2021年12月には、初回のギフトをシングルマザーの家庭を中心に約2万2,000世帯に届けることができた。趣旨に賛同した参画企業は17社にのぼり、スキンケアからベース&カラーメイク、ヘアケア、入浴剤まで、幅広い商材の15万点が集まったという。
パイロットテストに参画した企業の一部を紹介すると、かねてより積極的にシングルマザー支援に取り組んできた日本ロレアルが化粧品1万点を寄贈、主力ブランド雪肌精のスキンケアやメイクなど3万点のコーセー、スキンケア・化粧品約2万7,000点のロート製薬、同じく、洗顔料・化粧水約1万1,000点を提供したマンダムをはじめ、約2万点の化粧品を贈ったラブ・ライナーなどを展開するmshや、シャンプーやトリートメントを約3,500点のI-ne、化粧品約7,000点のマードゥレクスのほか、ハリウッド、明色化粧品、太陽油脂など、事業規模や製品ジャンルもさまざまな企業・ブランドの名前が並んでいる。また、物流や配送についてはセイノーホールディングス傘下のココネットが、ホームページ等の製作にはWWDJAPANが協力した。
化粧品が持つポジティブな力で関わる人々が笑顔になるエコサイクルを構築
アイスタイルグループの株式会社ISパートナーズ代表取締役社長で、プロボノ(職業上の知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動)としてプロジェクトに関わっており、バンクフォースマイルズの事務局長も務める藤田恭子氏は、「人々にとって化粧品がいかに大切で特別な存在であるかということを改めて実感した」と話す。そして、「『化粧品は私たちに自信を与え、表情や行動まで変えていくもの』と信じる気持ちが、コスメバンクプロジェクトの根底にある。行き先が決まっていない化粧品を、必要とする人のもとへ届けることで、贈られた人々のみならず、参画する企業やボランティア有志も含めたそれぞれが誇りと自信を持ち、前に向いて進んでいくポジティブなサイクルをつくっていくことを目指している」とする。
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