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日本人の6割が実はくせ毛、“活かす”プロダクトで新市場の創出に挑むCurly Me

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日本では、「くせやうねりを抑え、まっすぐにする」ヘアケア製品が多いなか、本来のくせ毛を活かすというユニークなアプローチで、くせ毛に悩む多くの女性たちをエンパワーメントし、支持を集めている「Curly Me」。ブランド立ち上げからの2年間と、今後の成長戦略について、株式会社Curly Me ブランドオーナーのカーリーガールリン氏に話を聞いた。


髪の「クセ活」で、悩む人に新たな選択肢

日本では、ストレートヘアが好まれる文化が強く、くせ毛は直すべきものという文脈で語られることが多い。くせの強い人は「地毛証明書」の提出を求められる学校もあり、子どものころから知らず知らずのうちに「ストーレートがよい」という価値観を刷り込まれている影響もあるのかもしれない。
 
日本のくせ毛向けのヘアケア製品の多くは、「くせやうねりを抑え、まっすぐにする」機能性を重視する傾向がある。しかし、日本人の6割が程度の差こそあれくせ毛であるとされ、全体の約半数が自分の髪をくせ毛だと認識しているというデータもある。

そんな日本人のくせ毛のスタイリングの概念を変える新しいアプローチが、SNSを起点に広まっている。くせ毛をそのまま活かす「クセ活」を提唱するのは、ビューティインフルエンサーのカーリーガールリン氏(以下、リン氏)だ。リン氏自身が強いくせ毛の持ち主で、長年髪の毛のことで悩んできたという。そして28歳のときに、米国発のくせ毛活かしメソッド「Curly Girl Method(CGM)」に出会い、くせ毛はスタイリングとヘアケア次第で活かせることを知り、人生が変わったという。

「海外では、生まれながらの自然な髪質を尊重する考え方が広く支持されており、くせやカールを活かすためのヘアケア製品が多数存在する。実際、小売店の店頭でもカーリーヘア専門の棚が必ずあり、そこにはくせ毛用のシャンプーやコンディショナー、ジェルなどがずらりと並んでいる」(リン氏)

株式会社Curly Me ブランドオーナー カーリーガールリン氏
プロフィール/毛髪診断士。くせ毛を活かすブランド「Curly Me」オーナー。天パ歴33年の『もう天パで悩まない! あなたのくせ毛を 魅力に変える方法 』著者。天パやくせ毛の悩みを抱える人へ「くせ毛を活かす方法」を届けたいと、2020年からSNSでの活動を始める。国内のみならず海外向けにも情報発信をしており、くせ毛を活かすヘアケアアイテムブランド「Curly Me」を立ち上げ、その運営も行う

欧米では、カーリー向けヘアケア製品は注目の成長市場として捉えられている。たとえば、英国発のカーリー向けブランド「Curlsmith(カールスミス)」は、2018年にケイト・ベルスキー(Kate Berski)氏とその夫が、姪たちが自身のカーリーヘアに合った適切な製品を見つけるのに苦労していたことをきっかけに設立したブランドで、2022年には、レブロンやブラウンなどを傘下にもつ Helen of Troy(ヘレン・オブ・トロイ)に1億5,000万ドル(約222億円)で買収された。

また、2017年に、米ロサンゼルスでインフルエンサーのジュリサ・パラド(Julissa Prado)氏が立ち上げた「Rizos Curls」は、ラテン系をはじめとした多様なバックグラウンドを持つ女性たちをターゲットにしたブランドで、カーリーヘアを持つ人々に自分の髪を愛し、ケアするための高品質な製品を提供。現在は、米アマゾン、アルタ・ビューティなどの大手小売店で購入可能になっている。

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