ロレアルはAIによるマーケティング拡張へ。AIのさらなる革新にフォーカス【Cosmetic360 2022 前編】
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2022年10月、仏パリで開催された「コスメティック360(Cosmetic360)」の模様を2回に分けて現地レポートする。1回目は、ロレアルなど大企業や新進のスタートアップから発表された、パーソナライズやマーケティング分野でのAI関連イノベーションにスポットをあてる。
コスメティック360の今年の大テーマはAI
美容業界において人工知能(AI)は、パーソナライゼーションなど顧客体験だけでなく、処方のカスタマイズ、研究開発テストの向上、パッケージの再設計、物流フローの改善、Eコマースの発展、あるいは持続可能な開発を加速する手段など、サプライチェーンのあらゆる箇所で業界の競争力を高めるために幅広く活用されている。
2022年10月12日・13日、仏パリで開催された化粧品関連の国際展示会「コスメティック360」では、このAIがメインテーマに掲げられ、多くのAI企業による展示に加え、AIを活用する企業の講演が行われた。また、毎年公募されるオープンイノベーションでは、シャネル、ロレアル、LVMHリサーチ、Pharma & Beauty の4社が、企業が取り組むAIドリブンなプロジェクトを募集したほか、コスメティック360アワードでは「AI審査員特別賞」が設けられた。
コスメティック360は、原料調達、パッケージ、製品、テクノロジーなどさまざまな分野を網羅した総合的な展示会で、グローバル企業、スタートアップ、中小企業、研究者によるプロジェクトが集う、ビューティイノベーションのショーケースとなっている。第8回を迎える2022年は、16カ国からの220企業が出展、4,000名の業界関係者が訪れた。韓国からは革新的な9企業が集まり韓国パビリオンを設けて、存在感を示した。
美容業界におけるAI技術の3事例
現在の化粧品業界におけるAIの活用事例として、今回は大きく3つのカテゴリーが提示された。1つ目はさまざまな場面における予測だ。購買行動やそれにもとづく売上予測、製品の品質予測、また、メンテナンスの必要性の予測にも活用される。2つ目はパーソナライズで、肌の解析、最適な製品マッチング、拡張型の顧客体験などがあげられた。3つ目はデータの可視化と分析を通じて、情報データからのマーケティングの意思決定と市場投入までの時間を短縮することだ。
その一方で、AI技術によるパーソナライズも進化し続けている。例としては、Perfect Corp.がライブストリーミング中でも可能なAIとARによる肌分析技術を発表。シワ、シミ、目の周りのクマ、肌のテクスチャーをはじめ、14項目を数秒で検知して可視化する。この技術により、企業は遠隔でもユーザーの肌の状態をリアルタイムで診断し、インタラクティブに顧客に寄り添ったスキンケア製品のレコメンドができる。
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