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"次のスター" はキノコ、海洋由来、コーヒーかす? 高機能とサステナブルを両立する化粧品原料

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クリーンビューティが化粧品市場において確固たる地位を得るなか、天然由来で、かつ高い機能性や効能を持つ原料・成分を探し求める動きが加速している。キノコや海洋由来成分に改めて注目が集まり、化粧品原料としては、これまであまり知られてこなかった植物が持つ可能性を切り開く研究結果も報告されている。欧米で化粧品処方における“次のスター”になることが期待されている原料を紹介する。

サステナブルに海洋由来成分を活用する「Blue Beauty」視点、レチノールの代替原料も

欧州では、タラソテラピーに代表される、ミネラルなど豊富な栄養素が含まれる海水に着目した自然療法が古くから発達しており、海洋由来成分への親和性がもともと高い傾向にある。これに加えて、自然環境の保全やサステナビリティを重視するグローバルな動きに伴い、海洋汚染の克服や生物多様性の維持を目指す、より広い観点から“海の恵み”を化粧品開発に活かすBlue Beautyをうたうブランドが登場している。

フランスに本拠を置くグローバル企業で、パーソナルケアや医薬品の成分など特殊化学製品を設計・提供するSeppicは、マリンバイオテクノロジーのエキスパートとしても知られる。同社が2023年1月、成分処方の国際見本市「Cosmet'Agora」で発表した7つの処方からなる新フォーミュラシリーズは、Blue Beautyトレンドにインスパイアされたもので、「水の使用量を減らす」「海を汚染から守る」「透明性の高い調達」という3つの柱をもとに設計されている。

そのなかには、水の使用量削減のため、ISO 16128で定義された自然由来原料99%で構成され、保湿、浄化、デオドラントなどの多目的な機能を持つ無水バームや、リンゴのアミノグラムから着想を得たマイルドなアニオン性界面活性剤を含む、生分解しやすいパウダーシャワージェル、また、脂溶性UVフィルターを配合した海水へのダメージが少ない日焼け止めなどがある。

また、仏ブルターニュ地方にあるSeppicの製造拠点で、倫理的で持続可能な方法で調達された原料の有効成分を使用した3つの処方も同フォーミュラシリーズには含まれている。その1つ、保湿効果のある緑藻エキス「Codiavelane BG PF」は、海を思わせる青みがかった透明なジェル状処方に配合。また、ブルターニュ産海藻フレークを配合したスパトリートメント用処方のほか、植物細胞培養技術「Celtosome」から生まれた植物幹細胞パウダー「Celtosome Crithmum Maritimum」と「Celtosome Eryngium Maritimum」は、それぞれ海岸線の土地に自生するハーブの一種、シーフェンネルとエリンジウムから開発され、成熟した肌の再生と輝きをサポートするとされる。

Celtosome
出典:Seppic公式サイト

海洋資源は、生物学的活性物質を含むことが科学的に認められている。とくに海藻類は、酸化ストレスや皮膚の老化に対抗するために使用できる代謝物の豊富な供給源で、マイコスポリン様アミノ酸(MAA)、多糖類、硫酸化多糖類、グルコシルグリセロール、色素、ポリフェノールなどを含んでいる。

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